楽天ブログに書いたものです。
今年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の、第33回「北庄城の別れ」で、柴田勝家役の山口馬木也さんに魅了されてしまいました。
~~~~~~~~~
サブタイトルに「~極限状態における心理的側面からの考察~」なんて書いたら学術論文になりそうだ。
・・・ってことはおいといて。
もう、心が揺さぶられて、この想いはXの短文では到底書ききれない。
山口馬木也さんの勝家にこんなに心を持って行かれるとは![]()
私は歴史好きだが、大河ドラマブログを書いている友人のように超詳しいわけではない。
しかし、芝居好き、そしてアマチュアの劇団で役者をやらせていただいているワタクシとしては、史実云々も頭にありつつ、やはり役者さんの芝居を見てしまう。
思えば、前回の第32回の、利家と勝家の殺陣のシーンの時から、制作陣の並々ならぬ力の入れようが分かった。
雪が舞い散っていた。雪という、このシーンを際立たせるためのシンプルだが美しさとはかなさを感じる演出。さあ、あとは役者に任せましたよ、とでも言っているようだ。
雪の美しさと、男同士の剣と槍の激しい一騎打ち。
このシーンを見て、この大河は大東さんの代表作になるんじゃないか、とXに書いた。
同時に、次回の勝家の最期に、ものすごく期待をした。
そして第33回。
柴田の旗がふみつけられるのは辛かった。勝家は北庄城に戻る。
お市(宮﨑あおいさん)に「すぐに逃げよ」と告げた直後に返ってきたのは、「お腹はへっておりませぬか」の言葉。思いがけない言葉に勝家は息混じりの「ハー(息)・・・?」。
言葉で表せない絶妙な「ハー(息)・・・?」がすごく良くて![]()
お市様が初めて作った料理。
一口食べて・・・「(心の声)・・・ん?」が、私には聞こえたっ(笑)
眼球の動かし方とかまばたきの数から。
お市様が自分のために作ってくれた料理。
味の善し悪しなんかではなく、嬉しくて、今まで食べたどのご飯よりおいしいと感じたに違いない。
これが最後の食事だと二人とも分かっている。
「逃げよ」という勝家に、お市は「覚えていますか?」と問う。
「なに?」と言うように耳を傾ける。
さっきの「ん?」とか「なに?」が、顔の表情だけで声を発していないのに聞こえるのよ!
そして耳を傾けてしっかりお市の話を聞く。
涙をにじませて「もったいないお人でした。」というお市に、涙ながらに首を振る馬木也勝家。
一つは謙遜、一つは大切な人を守れなかったという悔恨、そして、あなたこそ自分にはもったいない人だ、という言葉が聞こえてきそうだ。
向き合う二人。本当にいいのか確認する勝家にお市は言う。
「もう十分でございます」
な、なに・・・これは・・・
「狛治さん、ありがとう、もう十分です・・・」
あかん、それは鬼滅の刃の恋雪と狛治(猗窩座)だ・・・
すみませんずれました。
短刀で喉を突こうとするお市。したたる血・・・。
しかしその血は、勝家の血だった。
は、刃物を素手で握っている![]()
ここで勝家さん、いろんな覚悟を決めちゃったのね。
元の騎士(ナイト)に戻るのだ。
お市がお嫁に来た当初は、一緒に食事をするのも緊張して喉を通らず、まだ主従関係が継続していた二人。
雪が溶ける頃には、敬語を使う相手が反対になっていた。
その間どう時を過ごしたのか、私達は想像するしかない。
しかし、短い時間の中で、お市の勝家に対する想いは、自分を守ってくれる忠臣から、愛する夫に変わった。不器用で、ちょっと茶化すとくそ真面目に照れてしまう20歳も年上のおじさんが、かけがえのない存在に変わり、あなたが逝くなら私も逝くと思うくらいに大切な人になったのだ。
そう思わせるほど、勝家が誠実で心からお市を愛していたことを身にしみて理解したからだろう。
こんな描写してくれた大河ドラマってあった??![]()
いざお市が死のうとした時、勝家は、また忠臣に戻った。
「最後までこの勝家がお守り致します」
2人は手をつなぐ。
手をつないだままの殺陣はとても危険を伴うもので、山口さんも緊張したそうだ。
もうお市さまだかあおいちゃんだかどっちを守っているのか分からないくらいだっただろう、激しい殺陣。でも、本当にかっこいい。敵の首を取るところで
「見るな、お市!」
山口さんが入れてもらった台詞だそうだ。
どこまでお市への愛にあふれているのか。愛しい人におぞましいものを見せたくない。
もう涙が止まらない。
忠臣に戻ったとて、元の忠臣に戻れるわけではない。二人は夫婦なのだ。姫を守る騎士、そして、妻を守る夫。最後の最後、自分の役割はこの両方なのだと理解したんじゃなかろうか。
ついに追い詰められる。2人は手を強くつなぎ直す。ここ、いい!!![]()
最後まで、最後までちゃんとお市は勝家を愛していた。
お市が敵の面構えを褒めたとき、勝家は、もう役割を果たしたのだと思ったのだろう。
ふっと、表情がゆるんだ。
剣を放り投げる。
「これが戦じゃ」
言い残して、二人は身を投げる。
敵に背を向けて、今度は逆の手を握り直して、手をつないだまま飛んでいく。
ずっと握った手を離さないまま。
ここは、無音だった。正解だと思う。余計なものはいらない。
二人の後ろ姿だけで十分だ。
宙を舞ううちかけ・・・最後にお市様が着ていた物ではない、柄が違う。
お市様の象徴だろうか?
これは絶対最後に着ていた着物ではない。なぜなら、着物が脱げるということは、手が離れてしまったことになるからだ。
最後まで二人は手を離さなかったはずだ。なんならお市様を守って空中で抱きしめたかもしれない。
城郭考古学者の千田先生が言うように、下層の屋根に着地して逃げ延びたかもしれない。
この結末には賛否両論あった。
でも、ここまできちんと勝家とお市の愛情を描いてくれた大河ドラマなんてなかったから、こんな風に空に飛んでいくのも、ドラマとして良いと思う。
だって、だから、こんなにも多くの人の心をつかんだのでしょう?
この第33回で、多くの人が山口馬木也さんのファンになったのでしょう?私のように。
素晴らしいドラマだった。心が苦しくて、悲しくて、切なくて、勝家とお市が一緒のお墓に眠っているという事実だけで、なぜかほっとした気持ちになる。
心が動くというのはすごいことだ。
私は、完全に山口さんのファンになった。最後の髪型がいい。激しい殺陣で、髪が乱れて、こめかみの辺りに前髪がかかっているのが、不謹慎だが若々しく見え、鬼の柴田が一人の愛する女性を守る一人の男性に見えた。
ありがとうございます。素晴らしい役者さんのファンになれて幸せです。
ちなみに山口さんと誕生日が同じだと知って嬉しくなりました。私の方が1個年上ですが![]()
次は山口さん主演の「侍タイムスリッパー」を見よう。DVDもゲットした。
でも、もう一度、お市様を愛し守り抜く柴田勝家を、山口馬木也さんと宮﨑あおいさんで見たいなあ。



