- 前ページ
- 次ページ
「できればムカつかずに」などランディのエッセイが好きだ。
2,3度方向を変えながら、各々の出来事の持つ意味を探っていくそのスタイルが好きだ。
さて、馬鹿男、恋愛に関するエッセイである。
あいも変わらず、自分の体験を赤裸々にかつ深遠に見つめ、語っている。
僕は、その文章を読んで、あーそうかそうだったのかと、自分の体験に照らし合わせ、自分の体験を再認識する。
ランディは、彼女に起こった出来事を、深く見つめ、考え、その本質を捉えようとするから、その考察は、僕に起こった出来事にも当てはまる。
まったくすごい洞察力を持った人だ。
しかも、自分の体験を臆することなく赤裸々に太っ腹に語ってくれる。
ありがたいことだ。
馬鹿な男ほど愛おしい
田口ランディ著
恋愛エッセイ : 恋する人必読
クレーが載っていたので、読んでみました。
セザンヌ、ルノワール、ミケランジェロ、ボッチィチェリ、ボス、ダリ、シャガール、マレービッチ、クレーなどなどが一人20ページぐらいで紹介されています。
生い立ち中心ですが、コンパクトにまとめられていて、読みやすいです。
さすが新聞社。
バウハウス、青騎士との関係、技法、哲学など一通りわかります。
イングリッドリーデル著
パウルクレーの描いた天使シリーズの解説書です。
人は、死の間際に天使と一体となり、天使に変容すると信じられているように、自分自身の天使への生成を描いたといわれるクレーの天使シリーズをユング研究者の著者が自分の考察ともに解説する。
なかなか興味深いアプローチで面白いです。
ただ、おんなじことの繰り返しかな。
はじめの46ページまでの総論だけで十分な気がします。
それだけでも「生成中の天使」「忘れっぽい天使」「天使が泣いている」「大天使」「天使、まだ女性的」「無題(天使、まだ醜いのモチーフ入り)」「天使がお望みのものをもってくる」「来るべきもの」「恥辱」に関して、深く丁寧な解説を加えています。
個人的には忘れっぽい天使が好きですが、お望みのものをもってくる天使の眼も好きです。
なお、スイスのパウルクレーセンターのHP は、すごいです。
特にデータベース
どうでもいいですが、クレーの奥さんの名前はリリー。
自由奔放な女性「華子」を、何故か華子と同棲することになった普通の女性「梨果」の観点から描く小説。
壊れていく日常を表現している、たしか江國さんは狂気を描いたと言っていた気が。
華子の自分の感情に正直に生きるあり方に、周囲の人は磁石のように惹きつけられ、逃れられなくなっていく。しかし、華子自身は、他人の負の感情を受け止めることができない弱さを同時に兼ね合わせ持つ。小説自体は、その落下を描く。
現代というバランス感覚がもっとも重要視される社会において、生きるということは、極端に走らず、矛盾する事柄のバランスをうまくとっていくことなのかも知れない。
あまりに純粋なゆえにそのバランス感覚に欠ける華子の影響をうけ、周囲の人もバランス感を失っていく。しかしながら、華子のあり方自体は、まるで自分自身の中にもそういう感覚がかつて存在していて、今は心の奥底に気づかぬよう隠しているだけだと、自分自身に語りかけるようなノスタルジーをも読者の心の中に生じさせる。
華子は、その素直さの一面である、脆さゆえに、落下していくが、
梨果は、華子の素直さに触れ、素直さのバランス感の反対に位置する強さ、意思を最後に示す。
つまり、たまに壊れて、自分の思う正常範囲を超えておくことが、バランス感覚を正常に保つ秘訣ってこと?
健康のためには、定期的にプチ破壊を繰り返しましょうっていうのがもしかして、結論?
でも壊れるときは、ぶち壊れですからね、プチ壊れっていうのは、難しいなー。
日常的にプチ壊れを許容してくれる周囲の存在っていうのが大事なんでしょうね。
江國香織著 小説
だって、「女子のいきさま」を書いた人っていう認識でしたから。
その人の伝記的プライベートな本なんて、手に取るわけないじゃないですか。
だから泣けると聞いたとき、嘘だろ、読み方がおかしいんじゃない?って思いました。
それでも食わず嫌いはやめて、読んでみました。
前半は、ジュンパラヒリのような繊細な文章。
これまで1のものを10にしてきたが、この本は10のものを1にしたと著者が語る通り、淡々と切なく静かに、それでいて力強く物語は進みます。
いい文章です。
こんなに切ない文章を書く人とは思いませんでした。
問題は、後半です。
泣けます。
それまでの静けさをぶち破る感情が噴出する後半、涙が零れ落ちます。
必読です。
東京タワー
オカ ンとボクと、時々、オトン
リリーフランキー著






