最初に何故このブログを書く気になったかお話します。

コロナ騒ぎの始まる寸前ハワイに行きました。勿論自腹です!

着陸はまあまあ普通でした。しかし、その後が最低でした!

体全体が前後に2回大きく揺らされたのです。

国際線でこんなブレーキングをするなんて信じられませんでした。

安全運航ときめ細やかな日本のエアラインが泣きます。

着陸はエアラインの提供する最後の商品です。

”終わり良ければ総て良し”の正反対で全く台無しです。

海外ではハードランディングに対してヘビーブレーキングと言われ

嫌われているそうです。着陸技術(Landing Technique)の優劣の差は

仕方ないことですが、ブレーキ操作は意識すれば皆同じになります。 

最初に説明したように私には許せないブレーキングでした。

少しの練習と強い意識が有れば直ぐできます。車と同じです。

違いは左右に分かれておりラダー(方向舵)と兼用です。

左右均等に踏むのは練習と慣れが必要です。

高速道路の出口やパーキングエリアに入る時はエンジンブレーキを使い

減速してから静かにブレーキを踏みます。広い交差点を曲がる時と狭い路地に入る時

はそれなりの減速をして静かに回ります。

私は大型バスの第2種免許を持っています。

実地試験では、立っている老人や子供が不安を感じないブレーキ操作と

ハンドル操作が求められます。勿論座っている人にも同じです。

旅客機の操縦はバスの2種免許と同じです。乗客が乗っているのです。

何故それが分かっていないのか?立っているお客様がいないからなのか。

滑走路が有限で短いからと言う言い訳です。しかし、航空母艦とは違うのです。

現在の小型・中型ジェットは殆ど2000m滑走路を使います。十分な長さです。

300人乗りのエアバスでも余裕を持って止まります。それもアイドルリバースです。

ブレーキ温度も夏でも100℃以内です。

以前の徳島空港はハイスピードタクシーウエイ(直角ではなく斜めに接している)が1500mの処に在り、そのままランプエリアに繋がっていました。着陸してから1分チョッとでボーディングブリッジに止まれるのです。APU(補助電源装置)が未だ立ち上がっていないのでエンジンを止められず、客室も降機の準備が始まっていないタイミングで困ったそうです。

エンジンのクーリングも心配でした。リバースアイドルだからその間もクーリングだなとFOと話したものです。勿論次回からは余裕を持ってゆっくりランプインしました。

日本の新幹線の静粛性は世界一だそうです。勿論、発進も停止も滑らかです。

ホームで並んで待っている位置に正確に停止することに海外の旅行客が驚いています。

ジェット機のブレーキ操作は減速率は新幹線に比べれば少し多いが、簡単に一定の減速率で優しく止まれるのです。

ジェット機にはオートブレーキが装備されています。

職人気質の私は全く必要性が感じられませんでしたが。

メーカーにより名称は変わるが、Low、Mideum、Max の3段階のModeが有ります。

そして、Take Off Mode(離陸モード)も有ります。

着陸のMax Modeは経験有りませんが、離陸モードは一度有ります。

リバース操作をすると聞き始めるのですが、それはもう凄いものです。

45年程前ですが、DC-9が山形空港1500mと言う短い滑走路で運航開始しました。

1500メートル運航ということで初めてオートブレーキが装備されました。

その頃は未だコーパイだったのでベテランキャプテンが

運航経験のために行く時に同乗しました。

手を前席に当てていないと大変でした。

もし客室最後尾で立っていたら最前方迄来てしまうだろうと話し合ったものです。

勿論直ぐ転んでしまいますが! 然し、その位の急ブレーキです。

滑走路にはブレーキ痕が濃く残り、ブレーキ温度が200℃を超えてしまったので冷やさないと次の離陸ができません。しかし、空気をそのまま送風するだけなので結構時間がかかります。

その頃から各空港にエンジン付きのクーリング装置が配備され始めました。

地方空港ではANAもよくクーリング装置を使いブレーキを冷やしていました。

B727、B737も急ブレーキを使っていたのですね。

でもエアバスにはブレーキクーリング装置が装備されていました。