類は好き嫌いが多い
でも、いつの日か一人でも食べれるようにと食育プロジェクトを行っている。野菜を作る→加工するなんて事を2人でやっているのだ。料理をするのも食育プロジェクトの一環だ。去年は、一緒に薫製にも挑戦した。梅干しも作るし,クリスマスには一緒にケーキを作ったりする。美味しいねって言いながら一緒に食べる。時には老人院皆で、時には2人で一緒に食べる。幸せで幸せで堪らない。だったら、素直になればいいって?あたしは、あたしで精一杯なんだ。だって、あたしだよ?自慢じゃないけど……類以外の人からモテた試しがない。鏡の中のあたし、お世辞にも美人じゃないと思う。大きな黒い瞳と白い肌は、良く褒められるけど……多分、それしか褒める所がないからだよね。大学時代なんて……モテないどころか、半径1メートルに男の子が近寄らないし、コンパだ飲み会だと皆が楽しそうな中……あたし一人置いてけぼりだ。女の友達は、多い。うん。多い。中学時代、高校の時も途中迄、男友達も普通にいた。中には、なんとなくいいムードになった子もいた。お家の転勤で引っ越したり、突然あたしを避けるようになったり……街を歩いててナンパっていうの?ほらっ、大概年頃の女の子だと一度くらいそんなのあるでしょ?あははっ、哀しいかな…..そんな経験もない。ハァッーそんなあたしに何をとち狂ったのか?王子様が恋をした。あり得ないっしょ。一緒に暮らす事が決まった時も、婚約が決まった時も、夢を見ているみたいだった。ううん。いまでもコレは、一時の夢なんだと思ってる。だってさぁ、類と街を歩けば……女の人は勿論、男の人だって皆が振り返る。「綺麗‥‥‥」そんな声が聞こえて来る。不釣り合い感、半端ないんだろうなぁーって思ってる。時折、いっぱいいっぱいになちゃって…..ガンガン仕事を入れて逃避行……仕事には、文句を言わない約束だから。「つくしーこっちのお皿でいい?」あたしの王子様が小首を傾げて聞いて来る。「うん。あっ、サラダはジュダイのお皿にしてね」「OK」美味しいね、うん美味しいね そんな言葉を交わせる幸せを噛み締めながら。「あっ、つくし、仕事は一段落ついたんだよね?明日はちょっと付き合ってね」「うんっ?」「峰原のご夫婦がこっちに滞在してるんだって」「へぇーこっちに別荘でもあるの?」逃避行の〆は、花沢の懇意にしてる方への訪問だ。相手方もプライベートの場所なので女性が居た方が良いと言う事で……田村さんからお願いされて類と訪れるのだ。「峰原夫人、つくしに会うの楽しみにしてるって言ってたよ」「あたしも楽しみ。あっ、失敗した!ブルーベリーのジャム持って行ったら喜んだのに」「鞄の中に入ってると思うよ。出掛けに加代に渡されたから」「おぉー流石、加代さん。むふふっ きっと喜んで下さるね」「あぁ」つくしが嬉しそうに笑いながらニコニコと話してる。ねぇ、つくし、あんたの取材旅行先に必ず大物夫妻がいるの不思議に思わないの?ホントあんたばっかりは、鋭いのか鈍感なのか解んないよね。