14日
冬の谷川岳なんて危なくて登れないと思っていた。
誘ってくれる山友がいなかったら、登ることはなかっただろう。
ゴンドラで稜線まで上がる。
あとは稜線歩きなので雪崩の心配もなく、痩せ尾根じゃないので、トレースを外さなければ雪庇を踏み抜く心配もない。
初めての山で見る景色は新鮮で絶景だった。
歩いてきた稜線を振り返ると、こんなところをよくも歩けたと自分で感心する。
アルプスのようにごつごつとはしていない分、真っ白な稜線が美しい。
せり出した雪庇に陰影ができてその大きさから、厳しい冬山だということが分かる。
気温が上がって雪が緩むと、雪崩を引き起こすのかもしれない。
登っている時は暑いぐらいで、ウールの下着とシャツの2枚だったが、さすがに標高が上がると、風もあり寒くなってきた。
上着を着て耳ふたつと呼ばれる山頂のひとつ、トマの耳に着く。
もうひとつの山頂、オキの耳も踏んで引き返す。
標高が下がってくると早く帰りたい気持ちと、いつまでもこの景色を眺めていたい気持が交錯する。
ゴンドラ乗り場に着いて無事登山終了。
天候にも恵まれて期待通りの絶景と、冬山に登れたという達成感もあった。
同時に終わったという寂しさと、次の山への思いに心がはせる。
そんな気持ちになるのは親しく接してくれる、山友がいっしょだからこそだと思う。
ゴンドラに乗って
新雪を踏んでくぼんだ足跡の周りが風で吹き飛ばされると足跡の方が高くなる
この先急登
山頂は近い
えびのしっぽ
歩いてきた稜線
トマノミミ山頂にて