松田、日本新で「銅」 競泳男子二百バタフライ | 魚釣り用ボクサーパンツ

松田、日本新で「銅」 競泳男子二百バタフライ

自分色のメダルに悔いはない


 4番手で突入した残り50メートル。松田はあらん限りの力で水をかき、キックを打つ。ゴール後、電光掲示板の表示を何度も確かめた。銅メダル。1分53秒を切る日本新だ。銀メダルまで0秒27だったが、悔いはない。


 「これが4年間、頑張ってきた自分色のメダルだ」


 終盤の馬力はあってもフェルプスらに前半から離されては勝負にならない。食らい付く。それも大きな泳ぎで滑らかに加速。100メートルの通過は12日の準決勝で出した日本記録より0秒28速い。「すごく進んでいる感じがあった」。6月に日本記録を破った時の総ストローク数は79回。その記録を塗り替えた準決勝は76回だ。下地をつくった自信を冷静な試合運びにつなげた。


 スピード不足を補うために練習後、体幹と太もも裏を鍛えた。アテネからの4年間で体重は4キロ増え、逆に体脂肪率は3%減った。長距離選手からスプリンターへと肉体を改造。キックの推進力は格段に増した。


 記録が伸び悩み、練習でも行き詰まりを感じていた昨秋。中京大大学院の先輩、陸上男子ハンマー投げの室伏広治に心境を打ち明けた。返ってきた言葉は「まずは自分の意識を変えろ。もっと自分で自分に負荷をかけろ」。金メダルを取っても練習法と理論を探究する向上心に触れ、24歳は自分の甘さを知った。


 「苦しくてもあきらめず、こつこつ努力し続けてきたのが、この結果だと思う」。信念を貫き、自らを律し続けた男の言葉だった。


出典:フジサンケイ ビジネスアイ