健康サービス IT駆使、自分を客観視 データをグラフ化、やる気引き出す | 魚釣り用ボクサーパンツ

健康サービス IT駆使、自分を客観視 データをグラフ化、やる気引き出す

 IT(情報技術)を駆使した健康サービスが相次いで登場している。身体データや運動量をインターネットのウェブサイト上などで一括管理することで、自分を客観視しながら健康づくりに役立てられるのが特徴だ。今春から、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健診・保健指導が導入され、生活習慣病の予防に関心が高まっていることが、サービス増加の背景にある。


 NTTデータ(東京都江東区)が運営する、生活習慣病予防支援のサイト「クリエイティブヘルス三健人」は、この分野では草分け的な存在だ。利用者は問診に答える形で、日ごろの食事や運動量などに加え、体重、体脂肪、血液などの健診データを入力する。その後、高血圧症や骨粗鬆(そしょう)症の改善など9種類の健康増進プログラムから1つ選ぶと、定期的に届くメールで自分が注意すべきことを知ることができる。


 特徴的なのは、歩数データをパソコンに取り込み管理しやすくしたことだ。オムロンヘルスケア(京都市)製の歩数計で計ったデータをパソコンに転送すると、サイト上で月・日別にグラフ表示できる。一目で運動量を把握でき、“やる気”を引き出す仕掛けになっている。


 利用料は、個人が毎月300円、法人は利用人数が1000人以下の場合で入会金10万円、1人につき年間3600円。NTTデータによると、「最近、メタボへの認識が急速に広まってきたこともあり、健保組合などとの契約数が増えている」(担当者)という。


 利用者数は、サービスを開始した平成10年の約1000人から、今年は計約5万人に拡大。利用者からは「歩数計をつけてみて初めて日ごろの運動量の少なさに気づいた。歩けば気分が爽快(そうかい)になり、仕事も前向きになれる効果があった」などの声が寄せられているという。


 富士通(東京都港区)の子会社、ベストライフ・プロモーション(川崎市)は昨年、社員259人を対象に健診データをもとにしたサイトを使った生活改善の実証実験を行った。健診結果とともに歩数計、血圧計、体重計のデータをネット経由で収集。個人サイト「ヘルスアップWeb」でそれらのデータを自己点検できるようにするとともに、異常のある人には電話相談などを行ったところ、総じて減量ができ、血液データも大幅に良くなったという。


 これを受け、今年からはグループ企業の従業員ら計約17万5000人にサービスの提供を拡大。また、グループ外の流通系2社、数千人にも同様のサービスを提供し始めており、齋藤稔社長は「今後、さらにグループ外の健康保健組合などに売り込んでいきたい」と話す。


 一方、携帯電話では、今年6月に発売されたauの「スポーティオ」には、持ち歩くだけで歩数、距離、消費カロリーを自動測定し、待ち受け画面で確認できる機能が搭載されている。


 生活習慣は、なかなかすぐに改善できるものではない。また、「運動が大切」と言われても、適切な量となると分かりにくいと感じている人は少なくないだろう。ITを活用した健康サービスは、こうした悩みを少しでも克服し、食生活の見直しや運動の継続を手助けしてくれる。「何から始めてよいか分からない」という人にとっては、きっかけ作りや動機付けとして利用してみるのもよさそうだ。


出典:MSN産経ニュース