マレーシアに恩返し
マレーシアに10年以上滞在した経験を持つ道産子の元商社マンが、定年退職後、バイオ企業に再就職し、マレーシアで活躍を続けている。札幌出身の伊藤勝さん(69)は、長年生活した同国への恩返しの意味も込め、最新のバイオ関連技術を伝えるために奔走する。
伊藤さんは北大経済学部を卒業後、一九六一年に総合商社の日商(現・双日)に入社。主に機械畑を歩き、九○年から九六年までクアラルンプール支店長を務めた。その後、別の日系企業に移り、そのまま二○○一年までの通算十二年間、マレーシアに滞在。日本人会会長を務めるなどクアラルンプールの日本人社会で活躍した。
この豊富な経験と人脈を買われ、東大教授らが設立したバイオ企業、エフェクター細胞研究所(東京)にスカウトされた。同社はマレーシア政府と技術移転契約を締結。移転を円滑に行うため、伊藤さんは○六年春、現地事務所代表として再びマレーシアに赴任した。「最後は世の中に役立つ仕事を、と思っていた。お世話になったマレーシアにも恩返しがしたかった」と振り返る。
伊藤さんは現在、人間の骨髄などから培養し、肝臓と同じ働きをする特殊な細胞の製造技術を移転するため、現地の政府系バイオ企業との調整業務や、技術研修の手配などを行っている。
イスラム教国の独特な習慣もあるマレーシアの事情に通じた伊藤さんには、現地関係者も厚い信頼を寄せる。「日本とマレーシアの橋渡し役となり、いずれは北海道の人にもマレーシアの良さを伝える仕事もしたい」と夢を語っている。(マレーシア・クアラルンプール 勝木晃之郎)
2007/03/30 北海道新聞
年とったらあったかいトコ住みたいよね。。