知人の女性が御主人を亡くした。愛する配偶者を亡くす事は何より辛い。彼女はうつ状態になりそのストレスが様々な身体症状になって現れた。そんなある時,窓から庭を眺めていると枯れ葉が一枚はらはらと落ちていった。その光景を見て彼女は心を動かされ『あぁ,自然の美しさにこんなに感動するんだったら大丈夫。これからも生きていけるわ』と感じた。それからは徐々に回復しすっかり元気になったそうだ。生花の先生をしている女性もこう言っていた。『元気がないときでも「花でも買って帰ろうか」という気持ちがある人はまだまだ大丈夫です』
うつ状態というのは感情の流れにストップをかけられた状態である。例えばあまりに悲しみが大きい時,心はそれに耐えきらないのでガードする。その大きな悲しみを一緒に味わってくれる人がいればいい。しかし,そこまで人の悲しみを理解してくれる人がいつもいるとは限らない。いつもそばにいる配偶者が一番の理解者だろうがその配偶者を亡くした場合は二重に辛い。喜びと悲しみを分かち合える人を失い,しかも,その悲しみを分かち合える人がいないのだ。行き場のない悲しみは心にたまってしまい感情の流れにストップをかける。心の動きが悪くなるので喜びも感じなくなる。感情する事がなくなる。うつになる。もしもあなたが自分の気持ちを理解し合え分かち合える人がいないと感じて心を閉ざしているならせめて花でも買って帰ってほしい。緑の美しいところに出かけて自然にふれてほしい。ごちゃごちゃと言わずにあなたの心をそっと休ませてくれる自然にふれよう。花を見つめているときっと花があなたを慰めてくれるはずだ。そしてその美しさに心が動けばもう大丈夫だ。きっとまた誰かに心を開き分かり合う事が出来る。辛い事は癒されてもう一回挑戦する気持ちになるだろう。早速,今日にでも花屋さんに出かけて好きな花を買って帰ろうではないか。
著 斎藤 茂太

うつ状態というのは感情の流れにストップをかけられた状態である。例えばあまりに悲しみが大きい時,心はそれに耐えきらないのでガードする。その大きな悲しみを一緒に味わってくれる人がいればいい。しかし,そこまで人の悲しみを理解してくれる人がいつもいるとは限らない。いつもそばにいる配偶者が一番の理解者だろうがその配偶者を亡くした場合は二重に辛い。喜びと悲しみを分かち合える人を失い,しかも,その悲しみを分かち合える人がいないのだ。行き場のない悲しみは心にたまってしまい感情の流れにストップをかける。心の動きが悪くなるので喜びも感じなくなる。感情する事がなくなる。うつになる。もしもあなたが自分の気持ちを理解し合え分かち合える人がいないと感じて心を閉ざしているならせめて花でも買って帰ってほしい。緑の美しいところに出かけて自然にふれてほしい。ごちゃごちゃと言わずにあなたの心をそっと休ませてくれる自然にふれよう。花を見つめているときっと花があなたを慰めてくれるはずだ。そしてその美しさに心が動けばもう大丈夫だ。きっとまた誰かに心を開き分かり合う事が出来る。辛い事は癒されてもう一回挑戦する気持ちになるだろう。早速,今日にでも花屋さんに出かけて好きな花を買って帰ろうではないか。
著 斎藤 茂太
