1倍台の圧倒的人気を有する馬について、軸馬として考えてよいのかどうか。素直に軸にする人と、敢えて飛ぶんじゃないかと敬遠する人などいるとは思いますが、そこへんを得票率でどれだけ信頼性が分かるのか調べてみたいと思います。
まずは確認
得票率に関してはこちらに統計データを載せているので、会員の皆様は各自で再確認願います。
とりあえず平均オッズが1倍台の部分をピックアップして、いったいどれだけの勝率、連帯率、複勝率を有しているのか各得票率を並べて確認してみましょう。
単勝得票率(全レース)
馬連得票率(全レース)
馬単得票率(全レース)
三連複得票率(全レース)
三連単得票率(全レース)
(2014年12月14日までを統計したもの)
信頼性はあるの?
上記表は1倍台になる手前からを抽出した表になるわけですが、ざっと見て頂けると分かる通り、単勝得票率以外では、1倍台になる得票率は馬連、馬単、三連複、三連単の得票率において、いずれも30%前後の得票率を有する値が1倍台となっております。
その中で、信頼性があるのかないのかを考えた場合それぞれの勝率、連帯率、複勝率を見て頂くと分かる通り、1倍台に関しては80%から100%という値を示しており、この値をどう捉えるかという考え方になるわけですが、そこで一般的な1番人気の勝率、連帯率、複勝率とを比較してみます。
1番人気における勝率と連帯率と複勝率
勝率:30.8%
連帯率:48.5%
複勝率:60.8%
当然言うまでもなく、この一般的な1番人気の値とで比較した場合は、1倍台の馬というのは一般的な1番人気よりかは信頼しても良いという結果になります。オッズの性質的な言い方をすると、皆さんの予想が素晴らしい、そして、みんなが当たるので儲からない馬と言えます。
当たり前の事を言ってるだけですがw
本当に儲からないのか?期待値から考えてみる
では、1倍台の信頼性が分かったところで儲からないというのは一般論かつ定説ではありますが、本当に儲からないのか?逆に儲ける事は出来ないのか?というのを期待値を使って考えてみたいと思います。
単勝得票率で考えてみる
細かく分布しているので分かりやすいと思うので単勝得票率で考えてみたいと思います。
期待値とは
期待値という言葉は、競馬で勝とうとしている人は必ず耳にした事があるとは思いますので、敢えてここでは詳しく説明しませんが、簡単に言うと購入額に対してどれくらいの払戻金が期待できるかを示す数値ですので、
期待値 = 的中率 × 平均オッズ
例えば、単勝馬券において、1番人気の馬の勝率が30%で単勝オッズが2.0倍とすると、10回のうち3回的中して合計払戻金が600円だとすると、600÷1000=0.6で60%となるわけです。
一般的にこの期待値が100%を超える馬を見つけて買いなさいと言われてます。
改めて回収率とは
ここで算出している回収率とは、実際の払戻金に対して、総レース数を100円で買った場合で計算しているので、
総払戻金 ÷ ( 総レース数 × 100 ) × 100 = 回収率
前述している期待値の例えの計算式と変わらない事になります。ので、期待値を基にした回収率ここでは期待回収率(と仮に呼ぶ)の計算式は
期待回収率 = ((レース数 × 的中率(%) × オッズ × 賭け金) / レース数 × 賭け金 ) × 100
と表す事が出来ます。ちょっと話がややこしくなってきましたが・・・
説明が下手で申し訳ないです。
要するに、実際に平均オッズから勝率を掛け合わせた期待値を算出した時、実際の回収率と期待値のギャップを調べる事によって、期待値の高いオッズ、この得票率の話しにおいては、該当する得票率において期待値の高いオッズを見つける事が出来るんじゃないかと言いたいだけです。そのギャップを単勝得票率を使って調べてみます。
期待値表
(2014年12月14日までを統計したもの)
ギャップからこの馬を狙え!
期待値表から、ギャップに関して正の値を示しているものに注目してもらいたい。
前述するように、平均得票率と勝率を掛け合わせたものが期待値となるわけですが、実際の回収率を見ると大きく上回っている回収率が見てとれると思います。どういう事かというと、平均オッズから期待値を超える回収率を示しているものは、その期待値以上の結果を出しているという事になり、ギャップが正の得票率において、実際のオッズが平均オッズ以上のオッズであれば期待値以上の結果を見込めるという事が言えるのではないでしょうか。
例えば、突出して大きな値を示している得票率「52.5%-55.0%」に注目して考えると、平均オッズと勝率の関係より、期待値として見込める回収率は85.41%でしかない。しかし、実際の回収率はどうかというと158.21%とマジかっ!と目を疑ってしまう。
では平均オッズは、1.45%だが、実際のオッズ出現的中個数はどうなっているのか調べてみると
オッズ:出現的中個数
1.5 : 34
1.4 : 1
1.3 : 3
1.2 : 2
1.1 : 2
これらから分かる事は、得票率が「52.5%-55.0%」の時のオッズが1.45%より高ければ、その1番人気の馬は買うに値する馬という事が言えるのではないでしょうか。
しかし、上記の例では突出した値であったが為の結果に過ぎないので、一概にギャップが正であるといって、期待値としては100%を超えていないので買えるかどうかと言われれば微妙だけど、平均オッズに対して実際のオッズが高ければ馬券を構築する上で参考になる値とは言えると思います。
また、突出した値については、やはり朝一オッズだからこのような集合値が出ているとも言えるのではないでしょうか。要するに朝一オッズでは得票率も高く、1倍台であったにも関わらず、最終オッズでは結構人気を落としてしまったが1着になった場合等、それしか説明のしようがないのですが、ネット上には得票率についての記事が多数見受けられるが、それらはごく一般的な最終オッズの可能性が高いわけで、このように朝一オッズのみで統計してみると、意外な数値となった事もまた事実と言わざるを得ないのではないでしょうか。
1倍台の信頼性と期待値
結局のところ、得票率から1倍台のオッズに対しての信頼性については、どれも標準値より高い数値を示しているので信頼性は高いと言えるが、それらが期待値を計算して儲ける事が出来るかどうかと言われれば、単勝複勝馬券においては、個々の得票率だけでは儲けられるとは言い難い。むしろ期待値通りに収束していくと考えれば儲からないと言える。
しかし、個々の得票率においてはそうであったとしても、仮に、単勝得票率と馬連得票率との関係性等を調べてみるとどうなのか。さらに信頼性等を高める事が出来るのかどうかというのを次の回で検証してみたいと思います。