まっすぐなストーリー
NHKの連続テレビ小説『マッサン』が終わった。
朝ドラを通して観たのは初めての経験だ。録画に頼りながら、ほぼ全話を観ることができた。
(ストーリーに関連する部分が文中に含まれるので、これから観ようとお考えになっている方はご注意を)
そもそもは、長年ファンをやっている中島みゆきがテーマソング『麦の唄』を歌うという事を聞きつけたのがきっかけだった。朗々と歌い上げられるその曲の素晴らしさはさておき、物語自体に引き込まれるのにさほど時間はかからなかった。
ご覧になられた方も多いと思うが主人公マッサンはニッカウイスキーの創業者、竹鶴政孝をモデルとしている。スコットランド修業中に出会い国際結婚した妻と苦楽を共にしながら、日本初の本格ウイスキーづくりを目指すというのが物語の骨格である。
この「苦楽」というのがちょっとベタと言うか、特に嫁姑のいざこざあたりに顕著だった。それでも陳腐に陥らなかったのは、やはりシャーロット・ケイト・フォックスの魅力によるところが大きいだろう。
そして、ウイスキーの完成自体がストーリーの終着点ではなかった。多彩な登場人物の個別の物語を巻き込みつつ、すべては妻エリーの死に収れんしていったと感じる。
終盤には登場人物が知り合いであるかのような感覚になってきたこともあり、やはり人の一生というものに思いを馳せざるを得ない。
流されて生きてきた私の目には、強い意志を持って前に進む主人公がことのほかまぶしく映った。
残念だったのは北海道ロケの分量がやや少なく、わけても広大な麦畑が実写されなかったことか。
そんなことより、ひそかに気に入っていた脇役の好子を主人公としたスピンオフが放映されるらしく、楽しみにしている。
ちなみに本作を引きずってしまったため次作『まれ』にはうまく入り込めず、観続けるのを断念した。朝ドラと付き合うのは簡単なことじゃない。
関連するマーケットも活発で、国産の高級ウイスキーは製造が追いつかないほど売れているらしい。もちろんそんなのには手が出ないが、限定販売された初号ブラックニッカ復刻版なんて何本飲んだことやら…