セクシーロード
フェイスブックやツイッター、ブログなどのタイムラインすべてに目を通すことはなかなか難しい。
だがやはり、思わず唸ってしまうような投稿があるわけで、そんな時は見逃さなかった幸運を噛みしめることになる。
先日、ある方が懐かしい映像をFBにアップされていた。横浜ゴムのCM集だ。
「グランプリヨーロッパ」や「ASPEC」といった、80年代のタイヤブランドをご記憶の向きも多いと思う。
これは、クルマとその周辺が持つ根源的な魅力の芯を見事に切り取った「作品」群だ。
苦み走った映像と湿り気を帯びた音楽は、まだまだクルマが遠い憧れだった子供心に深く刻み込まれた。
中でも好きだったのは、ニキ・ラウダの姿とナレーションの背景に、寺尾聡の「SHADOW CITY」が流れるバージョンだ。
このCMのキャッチコピーこそが、'SEXY ROAD, なのである。
やれ500LPだ512BBだと騒いでいた小学生も、身近なスカイラインやサバンナに興味が移って行く頃だった。
時は流れ、私にとってクルマは多くの場合、手段となった。年におよそ三万キロを走るが、その八割は仕事での運転である。自家用車の選択は現実に厳しく縛られることも知った。シャドーシティーのような恋愛は、しなかった。
今回の出張に先立ち、アルバム「リフレクションズ」をスマートフォンに落とし込んだ。
B面一曲目から再生してみる。
フロントガラスの風景が、一変した。
助手席にまで荷物を満載したレンタカーを、よもやアルピナと錯覚することは無かったが…
SEXY ROAD
もしも道路にカーブや勾配、ギャップが無かったら、クルマは、運転は、どれほどつまらないだろう。
そうとばかりも言っていられないほど疲れる時だって、少なからずあるのだけれど。
いつもよりちょっとだけ感覚を研ぎ澄ませて路面と対話するのは楽しいものだ。
何に乗っても、どこを走っても。