バスフィッシングとガメリング | 椚田のブログ 

バスフィッシングとガメリング

ブラックバスは悪い魚だ。
私がこの釣りを始めた35年前、世間ではすでにそう見なされていた。その後、駆除・特定外来生物指定・リリース禁止など、釣り人側から見た状況は確実に悪化している。残念ながらこの先、好転することはまずないだろう。逆に局地的・全国的に、急転直下的な縛りがかけられる可能性を意識しておいた方がいい。

今回「外来種被害防止行動計画(案)」に対するパブリックコメントを提出したのだが、環境省の用意した添付資料を読めば、理は向こうにあるといやでも思い知らされる。

例えばカミツキガメを捕獲する「ガメリング」というスポーツがあるとする。愛好家である「ガメラー」たちはこのゲームの素晴らさを主張し、全国に生息範囲を広げたカミツキガメを殺すなと訴える。カミツキガメはファイトも素晴らしく、最高のゲームアニマルなんだと。
さて、こんな話が良識のある人に通るだろうか。もちろんバスフィッシングはガメリングではないが、興味の外にいる人たちの目に、この二つはさほど遠くは映らないかもしれない。ではどうするか。

この球団に対する個人的な好悪の感情は別にして、「巨人軍は紳士たれ」という有名な憲章がある。やはり、まず目指すべきはここではなかろうか。

バスをよく思っていない方たちも、普通の大人がそうであるように、正面切った批判を私たちに浴びせることはまずない。「僕は海の方がいい」「釣った魚は食べなくちゃ」これらのセリフが、単にゲームフィッシングへの無理解ばかりを示しているとは限らないのだ。「まだバスやってるの?」という言葉の裏にあるバス釣り愛好家像がどうのようなものかは、言うまでもないだろう。

日々勉強させてもらっているが、ブログやSNSで発信されている方たちは極めて意識が高い。そんな皆様にこのような話をしても、本来伝えるべき人々には伝わらないジレンマがある。仮に伝わったとしても、自らのふるまいをまるで省みない人間は一定の割合で存在し続け、絶えることはないだろう。
それでも、だからこそ私たちは、さらなる高みに向かわねばならないのではないか。あまりにせんえつなので具体的な話に踏み込むのは差し控えるが「あの人がやっているのなら、バス釣りもそんなに悪くはないのでは・・・」というところにまで持っていくことが大事になってくると思う。それは特効薬などではない、限りなく地道で終着点の見えない行動だが。

かく言う私は過去、後ろ指をさされても仕方ない行為もしたし、不適切な記事の掲載もした。自戒の意味を込めて、前者をなかったことにするつもりも、後者を削除するつもりもない。高いところからものを言っていると受け取られることをひたすら恐れつつ、これを機に、ただただ襟を正していこうと思いを新たにするばかりだ。
パブリックコメントにしても、根っこにある感情は「どうか俺からバス釣りを取り上げないでくれ」といった単純なものである。

今回はネット上で意見の書き方指南も散見され、それはそれで的を射た内容であり、熱心な啓蒙行為だと思う。ただ、攻撃的な言葉を使わない限り、率直に思いを述べても構わないのではないか。あの膨大な資料からバス釣りに関する箇所を抜粋し、読み込むだけでも骨なのだから。
ついえたものの、一度は釣り人や業界の声で特定指定が先送りになった経緯もある。だから、パブリックコメントを出すことには、間違いなく意味がある。

バス釣りに魅了されたと同時に、私たちは軽くないものを背負った。しかし、それを背負い続けるだけの価値がこの釣りにあることも、私たちは知っている。関心を持ち、具体的に行動することなしに何かを守ることはできないということも。


「外来種被害防止行動計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について