キリスト教徒は収容所送り―北朝鮮
韓国脱北者団体、北の人権蹂躙を報告
【ソウル21日上田勇実】韓国の脱北者団体「北朝鮮民主化委員会」は21日、ソウル市内で記者会見し、近年、韓国のキリスト教会から派遣された宣教師によって北朝鮮住民が伝道されたり、脱北するケースが急増し、これを警戒する北朝鮮当局がキリスト教徒と判明し次第、強制収容所に送るか、秘密裏に処刑していると明らかにした。最高指導者の金日成・金正日父子を盲目的に崇拝させてきた北朝鮮で今なお続く宗教弾圧の実態を示すものといえる。
同委員会が最近、北朝鮮で人権蹂躙(じゅうりん)の被害にあった脱北者約50人と北朝鮮住民らから得た情報をもとに明らかにしたところによると、北朝鮮の国家安全保衛部は2000年以降、キリスト教と関わった住民に対しスパイ罪を適用する方針を出し、特に最近は朝鮮族宣教師による伝道など中国を通じた布教活動の取り締まりにも力を入れていることが分かった。
平壌国家安全保衛部に収監されていた脱北者二人は、収容所内にいたキリスト教徒とみられる2、3人の政治犯が「死ぬべき対象」とみなされ、あらゆる拷問を受けていたと証言したという。
また同委員会は咸鏡北道、両江道、慈江道、平安北道など中国と国境を接する道(日本の都道府県に相当)の保衛部ごとに“地下監獄”が秘密裏に新設・運用され、政治犯などの容疑をかけては住民を三カ月以上にわたって拘禁したり、場合によっては収容所に送らずにその場で処刑することもあるという。
同委員会の副委員長で耀徳政治犯収容所に収監された経験をもつ姜哲煥氏は、「核問題の影に隠れ北朝鮮の人権問題が見逃されている。言葉では変わらない金正日政権を動かすには圧力が必要」と語った。