石綿、バイオ技術で速く安く検出 広島大で開発
2005年11月28日 (月) 17:49
アスベスト(石綿)を速く安く検出する方法を広島大先端物質科学研究科の野村和孝研究員、黒田章夫教授(生物工学)らのグループがバイオ技術を使って開発し、特許を申請した。石綿にくっつく性質のあるたんぱく質を発見、それに色の出る酵素を結合した。その水溶液などを試料にかけると、発色の度合いで大気中や建材にある石綿の量が測定できる仕組みだ。
現在は特殊な顕微鏡でアスベストの繊維を数えたり、X線を使って読み取ったりしており、検査に時間がかかっている。
野村さんらは、土にすむ微生物などがつくるたんぱく質約1万種類の中から、白石綿に特異的にくっつく3種類を探し出した。このたんぱく質に、遺伝子組み換え技術などを使って発色酵素を結合。それらの遺伝子を大腸菌に組み込んで大量につくれるようにした。
その水溶液を石綿にかけると5分程度で発色した。将来は大気を濾過(ろか)したフィルターについた試料や建材を砕いたものなどに水溶液をかける方法などを考える。
測定できるアスベスト量の下限は約0.1マイクログラム(繊維数で数百本)までだが、さらに1けた少ない量まで検出できるよう感度向上を目指す。「元々はシリコン基板にくっつくたんぱく質を探していたが、組成が似ている石綿の検出に応用できることに気づいた」と黒田教授はいう。
12月3日に広島市で開かれる日本生物工学会西日本支部のシンポジウムで発表する。