静まる北京、南部は騒然 中国・反日デモ
中国の主要都市に展開し始めた反日デモ。10日、南部・広東省の広州や深●で1万人以上の大規模デモが行われる一方、首都・北京は前日とはうって変わって静かな表情を見せた。
◇北京
「今日もデモをしていると思ってやってきたのに……」。北京の日本大使館前に中国国旗を手に1人でやってきた若い男性は、警察官に阻止され、悔しそうに話した。
中国の警察当局は前日の大規模なデモを受けて関係施設の警備を強化。大使公邸には多数の武装警察官を配置し、周囲の道路を封鎖した。
中国紙は前日のデモを一切報じていないが、多くの市民はインターネットや口コミを通じて、事態を知っている。ネット上には「日本人は悔しいだろう」といった挑発的な言葉も見られる一方、「破壊行為は行き過ぎ」と話す市民もいた。
一方、大使館はデモによる被害状況を報道陣の代表に公開した。敷地内の建物前には、ペットボトル70本以上、直径15センチを超すコンクリート片や石、割れた卵やトマトなどが散乱。窓ガラスの破損は3階建ての建物のほぼ全体に広がった。
大使館での取材は中国当局から認められず、代表の記者たちは大使館車両で敷地内へ。その後、日本の報道陣約20人が大使館員の誘導で改めて中に入ろうとしたが、警察官らに阻止され、一時もみ合いとなった。
◇上海・成都
10日朝、上海総領事公邸で掲示板のガラスが割られた。警備員が駆けつけると、男1人が「釣魚島(尖閣諸島の魚釣島)は中国の領土だ」と叫びながら逃げたという。
2日の抗議行動で窓ガラスの割られる被害が出た四川省成都市内のイトーヨーカ堂。9日に再び起きた抗議行動では、群衆が店の入り口前に集まってシュプレヒコールなどをあげ、客が店内に入れなくなる状況が続いたため、一時的に店のシャッターを閉めて営業を停止。店側によると、一連の抗議行動もあり、客足は落ち始めているという。
◇広州
参加者2万人と、この日最大となった広州市のデモ。日系スーパーのジャスコが入居する商業ビルは万一を恐れて休業した。ホテルの日本料理店は、デモ隊が投げた石やペットボトルでガラス1枚が破損した。
もっとも、沿道の広州市民からは「やっているのは外の省から来た人たちが中心。文句があっても、まず経済をよくしなければ意味がない」と、冷静な声も聞かれた。
午後になると、警察隊はデモの収拾を開始。広報車のスピーカーで「君たちの愛国精神と国連改革への関心は、十分理解できる。総領事館は君たちの抗議を受け取った。あとは政府が適切に処理してくれると信じて解散しなさい。自覚的に社会の安定を守りなさい」と呼びかけた。
◇深●
深●市では3日に続いてデモが行われ、一部の参加者が日本料理店や日系デパートに石やペットボトルなどを投げつけた。香港公共ラジオなどによると、ジャスコの店舗に集まった若者が店に突入しようとして警察と衝突。ジャスコ側によると、群衆が鉢植えの植物を投げつけ、入り口のガラス戸が割れた。
前回のデモを呼びかけたウェブサイトの一つ、広東愛国志願者ネットは9日、デモとのかかわりを否定する声明を出した。しかしサイト上にはデモを呼びかける匿名の書き込みが続いた。9日深夜にはサイト自体が接続不能になった。●は「土」へんに「川」2005年04月11日(月)