第四世代携帯 技術開発、中国と連携 国際標準化、主導権争い
日本と中国の両政府は二十六日、超高速データ通信が可能で、二〇一〇年ごろに実用化が予定されている第四世代携帯電話の技術開発で連携することで合意したと発表した。日本の総務省と中国の科学技術部が同日、総務省内で覚書を締結した。技術力やサービスで携帯先進国となった日本と、世界最大の携帯電話市場を有する中国が協力体制を構築することで、第四世代の通信規格の国際標準化に向けて主導権を握りたい考えだ。
覚書では、第四世代携帯電話の共同研究開発や国際標準化の策定、人材交流や技術者育成での協力などを盛り込んだ。年一回程度、局長級の会談を定期開催するほか、産学官のメンバーで構成される共同作業委員会も設置する。また、韓国を加えた三カ国での共同技術討論会も検討する。
第四世代携帯電話は、NTTドコモの「FOMA」など第三世代携帯電話の後継となる機種。データ通信速度は、現行機種の数十倍となる毎秒百メガビット級の光ファイバー並みで、現行では難しい高精細な動画像の送受信が移動中でも楽しめることが特徴だ。二〇〇七年には第四世代携帯用の周波数帯が世界的に統一され、二〇一〇年の実用化に向けた標準化争いが本格化するのは必至で、日中両政府は連携強化でアピールする方針だ。
現行の第三世代携帯は通信規格が一本化されず、世界で複数の通信方式が並立している。
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■市場と技術、思惑絡む
世界的にはいまだ第二世代携帯電話が主流にある中で、日中両政府が「次々世代」ともいうべき第四世代携帯で早期に連携した背景には、それぞれの事情がある。
中国の携帯電話加入者数は、昨年末で三億三千四百八十二万人と世界最大だ。二位の米国の二倍弱、三位の日本と比べると四倍弱と断トツな市場規模を誇っている。しかし、全人口に対する普及率はまだ25・9%にすぎず、市場の飽和感が強い日本や米国と比べて、今後の拡大余地が相当残っているのが特徴だ。
この有望市場に食い込めていないのが日本の携帯端末メーカーや通信機器メーカーだ。同市場はフィンランドのノキアや米モトローラなど欧米勢や中国の国産メーカーが席巻し、日本勢は束になっても数%にとどまる。日本最大の携帯端末メーカーのNECですら、「中国では無名に等しい。ブランドイメージの向上はこれから」(山崎耕司・モバイルターミナル事業本部副事業本部長)と嘆く。こうした状況に危機感を持つ日本政府には「開発段階から中国と連携できれば、日本企業の進出や取引拡大につながる」(総務省幹部)との狙いがある。
一方、中国側も切実だ。第三世代では中国独自方式の「TD-SCDMA」も国際標準化規格の一つに選ばれたが、いまだ商用化されていない。世界的には第二世代から第三世代への移行が始まりつつある中、NTTドコモが採用する日欧方式「W-CDMA」とKDDI(au)が採用する米方式「CDMA2000」に集約されつつあるのが現状だ。
中国は、日本との連携でイメージアップを図るとともに高い技術力も吸収できる。第四世代の国際標準化が獲得できれば、「名実ともに携帯大国になれる」(業界関係者)との思惑がある。
ただ、日中で第四世代の規格を決めても、欧米各国が賛同するかどうかは今の段階では未知数。「結局、思惑倒れに終わるのではないか」(携帯端末メーカー関係者)との見方も出ている。(冨岡耕)
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第三世代携帯電話 2001年10月にNTTドコモが世界で初めてサービスを開始した。現在主流の第二世代携帯電話に比べて通信速度が10倍以上と速く、簡単な動画像の送受信もできる。欧米各国でも昨年から開始され、中国では来年中のサービス開始が見込まれている。日本では、約8800万人の携帯加入者のうち第三世代利用者は約4割を占める。2005年 8月27日 (土) 02:55
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