山本直樹『レッド』、読むのだいぶキツいけど読み続けてしまう理由
人は集団に なると変わるんだ
欲しいものみんな持っていくのさ なんの躊躇もなく
したいことみんなやっちまうのさ なにもためらわず
いずれ
(坂本慎太郎『もうやめた』)
山本直樹『レッド』最新刊を読んだ。
正確にはシリーズ続編という位置づけで
『レッド 最後の60日間 そしてあさま山荘へ』と改題しての第1巻となっている。
約40年前、この国で実際に起きたある事件をベースに、ほぼ史実通りに進んでいく物語。
(この事件のwikiを読むだけでかなりダメージくらいます)
普通ははしょるような細かい描写を積み重ねることで、異様なリアリティが構築されていく。
最初のうちは希望に燃えて活動を続ける彼らだが、だんだんとその歯車が狂い始め、あと戻りできなくなっていく。
恐怖によって歪んだ集団心理の恐ろしさが、これでもかとばかりにジリジリ描かれていく。
総括(という名のリンチ)の描写は、ページをめくるのも辛い。
事実、巻を重ねるごとに読むのがしんどくなってきていて、特に山に入り総括が本格化してからは、読み終わると必ずダウナーになり、読み返すことはほぼない。
(読み返そうと思えないのだ、しんどすぎて)
じゃあなんでそんなものを読み続けているのかというと、そもそも彼らが同じ目的のもと集った「仲間」で、しかもその目的が「世の中をよりよくするため」という理想にもとづいたものだった、というところだ。
彼らが言っていること/やっていることは完全にどうかしてるし、到底理解できるものではない。
自分たちにだけ都合のいい理想を掲げ、押し付け、がんじがらめになり、そこからはみ出すものを暴力と恐怖でさらに押さえつける。
でも、じゃあ、彼らは自分とはまったく異なる、ただのキチガイたちなのか。
自分は「ああ」はならないと、本当に言い切れるのか。
結果、10数人の死者を出したこの事件。
読めば読むほど、「なんで途中で引き返せなかったのか」と思ってしまう。
冒頭で引用した坂本慎太郎の楽曲は、2014年に発表されたものだ。
時代は進んでも、人間の怖さや危うさそのものは、まったく変わっていない。
それどころか、この国におけるそういう意味での危機感は増している気すらする。
もし再びまずい方へと進むことがあったら、今度こそちゃんと引き返さなければいけない。
一度間違ってしまったからこそできる「引き返し方」が絶対にあるはずだから。
欲しいものみんな持っていくのさ なんの躊躇もなく
したいことみんなやっちまうのさ なにもためらわず
いずれ
(坂本慎太郎『もうやめた』)
山本直樹『レッド』最新刊を読んだ。
正確にはシリーズ続編という位置づけで
『レッド 最後の60日間 そしてあさま山荘へ』と改題しての第1巻となっている。
約40年前、この国で実際に起きたある事件をベースに、ほぼ史実通りに進んでいく物語。
(この事件のwikiを読むだけでかなりダメージくらいます)
普通ははしょるような細かい描写を積み重ねることで、異様なリアリティが構築されていく。
最初のうちは希望に燃えて活動を続ける彼らだが、だんだんとその歯車が狂い始め、あと戻りできなくなっていく。
恐怖によって歪んだ集団心理の恐ろしさが、これでもかとばかりにジリジリ描かれていく。
総括(という名のリンチ)の描写は、ページをめくるのも辛い。
事実、巻を重ねるごとに読むのがしんどくなってきていて、特に山に入り総括が本格化してからは、読み終わると必ずダウナーになり、読み返すことはほぼない。
(読み返そうと思えないのだ、しんどすぎて)
じゃあなんでそんなものを読み続けているのかというと、そもそも彼らが同じ目的のもと集った「仲間」で、しかもその目的が「世の中をよりよくするため」という理想にもとづいたものだった、というところだ。
彼らが言っていること/やっていることは完全にどうかしてるし、到底理解できるものではない。
自分たちにだけ都合のいい理想を掲げ、押し付け、がんじがらめになり、そこからはみ出すものを暴力と恐怖でさらに押さえつける。
でも、じゃあ、彼らは自分とはまったく異なる、ただのキチガイたちなのか。
自分は「ああ」はならないと、本当に言い切れるのか。
結果、10数人の死者を出したこの事件。
読めば読むほど、「なんで途中で引き返せなかったのか」と思ってしまう。
冒頭で引用した坂本慎太郎の楽曲は、2014年に発表されたものだ。
時代は進んでも、人間の怖さや危うさそのものは、まったく変わっていない。
それどころか、この国におけるそういう意味での危機感は増している気すらする。
もし再びまずい方へと進むことがあったら、今度こそちゃんと引き返さなければいけない。
一度間違ってしまったからこそできる「引き返し方」が絶対にあるはずだから。