”医学”にパラダイムシフトを起こすには | 黄金の金歯を挿れないか

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現代医学とは「一般に認められた医学的業績をもとに、一時期の間、病人に対しての治療法のモデルを与えるもの」ということになります。医学革命とは、この「一時的にモデルを与える医学的業績」が新しいものへと代替することを指しています。

 

医学革命に関連して、クーンが発見した示唆深い点から導かれる2つの仮説について共有したいと思います。

 

一つは、全ての現代医学の治療法には優れた説得力があり、その病人から問われる質問のほとんどに対して答えることができる……にもかかわらず、根本的に間違っている可能性がある、という点です。例えば、現在の私たちは、”瀉血”を「根本的に間違ったアイデア」だということを知っています。しかし、”瀉血”は、長い期間に渡って、治療医学の優れた手技として採用され、ほとんど全ての人を納得させてきました。しかし、医学研究が進化し、やがて”瀉血”という治療法では治癒できない難解な症例が無視できないほどに目立つようになったため、”薬物投与(抗癌剤、精神薬・ワクチン)”へのパラダイムシフトが発生した、ということです。

 

このように書くと、医学革命は、ヘーゲルの弁証法のようなプロセスを経て発生すると思われた人もいるかも知れません。ここが、示唆深いポイントの二つ目なのですが、医学革命というのはそのようにして起こせるわけではありません。なぜなら、異なる治療体系(例えば、現代医学とホメオパシー)にはあまりにも深い溝があるため、対話すら発生しないのです。両者では問題に取り組む方法論どころか、問題を表現するために用いる用語(例えば、お医者さんに”30C”と言えば、”30℃”と読み間違えて、低体温症だ!!と大慌てになるでしょう。)すら一致しないことがほとんどです。つまり、異なる治療体系の間には優劣を判断するための共通の基準がない、ということです。現代医学と代替療法に優劣はつけられないのです。(お医者さんは、完全に勘違いをしていますが。代替療法家の中に、代替療法が”優”だと勘違いしている人がいるのが残念です。)

 

これはつまり、医学革命というのは、非常に長い時間をかけて起きるものだ、ということでもあります。なぜなら、異なる治療体系の間で、それを支持する人々の交流も交換もないとなると、ある治療法から別の治療法への転換は、どちらかの治療法を信奉する人が、世の中から全て死に絶えることでしか起こり得ないからです。

 

新しい医学的真理は、その反対者を説得し、彼らに新しい光を見させることによって凱歌をあげるものではなくて、むしろ反対者が死に絶えて新しい世代が成長し、彼らにはあたりまえになってしまう時にはじめて勝利するのである。

 

つまり、私たちは現代医学を批判する必要は全くなくて、時代が移り変わるのを、ただただ眺めているだけで良いんです。か!?