農産物の窃盗はなぜおきるのか | 小田原きよし オフィシャルブログ「日本まったなし!」Powered by Ameba

農産物の窃盗はなぜおきるのか

皆さん今晩は。小田原きよしです。


栃木県でとちおとめ100kg、10万円相当が盗まれたそうです。


明日収穫予定のハウスから積みとられたといいます。

丹精込めて一粒一粒育て上げ、収穫目前で被害に遭われたイチゴ農家の方の心中はお察しして余りあります。


被害者のお気持ちを考えればひどい犯罪であることはよくわかります。


しかし犯人の立場からすると、失礼ながら、東京にいるとなぜそんなに割の合わない犯罪を犯すのか、理解できませんでした。


そういえば、サクランボなど、時々農作物を盗んで収穫する事件が起きます。収穫作業中に、見つかってしまうリスクが大きすぎるでしょう。持ち主が気つかなくても隣近所に見つかるかもしれません。


大分でも市内を除けば近隣の家の職業、家族構成、通っている学校から恋愛歴まで、地域の人は家族の様によく知っています。


例えばあるお家では、立派な総ヒノキの家を自慢されましたが、地域の方は皆

「あそこの家はなくなったじいさんが●●さんの山の木をこっそり盗伐した木材で建てたんじゃ。」

と言います。


家が建っている限り、代々言われてしまう。

悪い事はできません。


なおさら、人さまの農作物をこっそり収穫するなど、できまいと思っていました。


大分で農業を営む方々とお話しすると、その切実さ、そしてこの犯罪の悲しさがわかって参りました。


農家の高齢化が進み、土地を人に貸して耕作してもらう方が出てきました。

近所の方が見ても、

「あそこはもう年で他人にまかせちょるんじゃ。」

と言い、関心が薄れてきます。

今日作業している人が先週作業している人と違っていても口を差し挟まなくなります。


農作業中の近隣との会話や情報交換がなくなります。


人口減少が追い打ちをかけます。


地域がやせて行くのに付け込んだ犯罪です。

地域が、よそ者の怪しい行動に気づいて、予防する力を失ってきています。


犯人は、そろそろ積み時だと知っていて、犯行に及んだのでしょう。濡れ手で粟を得るように、10万円相当の農作物が手に入る、と踏んだのでしょう。

卑劣極まりありません。


金額には関係ないでしょう。単なる窃盗ではありません。弱りゆく地域社会への不敵な挑戦です。

何が何でも捕まえて、懲らしめてほしいと思います。


きよし