暴力装置だと? | 小田原きよし オフィシャルブログ「日本まったなし!」Powered by Ameba

暴力装置だと?

皆さんこんばんは。小田原きよしです。



仙谷官房長官が18日の参院予算委員会で自衛隊を「暴力装置」と表現しました。


『民主党政権を自衛官の前で批判する民間人を呼ぶな』、と通達を出した理由を国会で質された時に述べた際の発言です。


暴力装置、というのはロシア革命直後、自らの講演を記した著作『職業としての政治』で知られるドイツの社会学者マックス・ウェーバーが国家権力をある側面から説明した言い回しです。レーニンが後に同じ表現を使っています。


暴力的に悪い事をしようとする人を強制的に押さえつける力がなければ善良な人々の安全を守れない。だから人々の総意として国家は軍隊や警察など、強制力を独占する権限を持たされる、という事を説明するときに使われた時がありました。


権力の在り方を研究する学者先生や学生さんたちが言うならいざ知らず、権力中枢にいる現役の国会議員が使うにはいかにも青臭い。団塊の世代の先輩たちが学生時代にデモ行進するときに叫んだ言葉です。まったく、お里が知れる。


政府は、命をかけて国を守る自衛官の上司です。


私は陸上自衛官の家に生まれました。

自衛官の子は万が一の時は父が国を守る危険な任務について命を落とすかもしれないという覚悟とともに暮らしています。


任務遂行の方が個人の命よりも大事な場合があるからです。危ないと感じたら逃げ出す人ばかりでは国を守る仕事は成り立ちません。


隊員は、『暴力装置』と言って自衛隊自体を否定する人たちの命も守ります。同じ日本人だからです。


国民を守るために殉職するのは仕方がない。しかし無謀な命令で父親を犬死させるのは耐えられない。

自衛隊、警察、外交官の子供が幼いころから政治の判断に関心を持つのはこのためです。私もそうでした。


「君らは暴力装置の自衛官なのだから危険な任務は当たり前だ。死ぬかも知れなくても行ってこい。」という上司に、ついていく隊員がいるでしょうか。

そんな心がけで、国が守れるのでしょうか。


奇しくも北朝鮮が韓国を砲撃しました。


我が国の具体的な判断が問われるのは時間の問題です。


きよし