みなさん、こんばんは。

 

今日もジトジト、どんより、梅雨らしい一日でした。

今年の梅雨はホント、よく降りますね。

 

今日の一曲は、

ニール・ヤングの、「オン・ザ・ビーチ」

 

――そのむかし、ニワトリを飼って卵屋をやっていた頃。

あちこち軽トラで配達していた時、ラジオをずっと聴きながら運転していました。

新車を買う余裕がなく、安いボロの軽トラを乗り継いでいたので、カセット・プレイヤーがついていればまだいいほうで、だいたいはラジオのみだったような気がします。

 

その頃、週イチで夕方にBEGIN(バンドですよ)がパーソナリティの番組があって、そのなかで「B面アワー」とかなんとか、アルバムのB面だけを全部まるまるかけるというコーナーがあって。

ある日の回でこの、『オン・ザ・ビーチ』というアルバムのB面が流れてきて。

 

夕方、配達からの帰り道。季節は今と同じような、ムッとするような熱気がまだ残っていて。ちょっと山の手から緩やかに琵琶湖へと下ってゆく県道はけっこう混んでいて、たらたらと走る窓の外は夕焼けで橙色に染まっていて。

卵の売上はあんまりよくなく、「 このままこの道を続けてやっていけるんだろうか、、。」という不安を常に抱えていて。

そんななか、ゆったりとした気だるいムードのギターと、憂いを含んだニールの歌声が妙にそのときの空気感とぴったりと溶け合い、その一瞬だけは音楽にすべてを委ね、幸せな時間だったと思います。

 

ニール・ヤングのアルバムのなかでも思いっきり地味で、あんまり知られていないアルバムかと思われます。

僕も、それまで知らなかったし。

アルバム・ジャケットも夏の終わりを思わせて、どこか淋し気。

 

ひとつ残念なのは、B面はこのジャケットの世界観そのままピッタリのゆったりとした曲が続くんですが、A面はなんかあんまり憂いも含みも無い、あっけらカーンとした曲が多く、アルバムとしての統一感はイマイチな気がします。

だから、B面ばっか聴いてる^^

 

でも、このB面だけでもやっぱお気に入りで、夏が近づくと毎年のように聴きたくなるアルバムです。

あのとき自由と不安をかかえ、オレンジに染まる夏の夕暮れの景色のなか、軽トラのハンドルを握っていた時のことがいまでも思い出されます。