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昨日の音楽ボランティアの現場は、初めて出かける高齢者デイサービスだった。
一般的なデイサービスのメインイベントは、午後からのレクリエーション。そこを任されるのだから、責任はとても大きい。
自分も福祉に関わる仕事をしているので、業界の裏事情は当然、よく知っている。だからこそ、求められるボランティア像ってのも分かるわけで、自分なりの流儀を踏まえて音楽ボランティアをやっている。
流儀と言っていいのか、こだわりなのか。
当たり前だけれど第一義的には、利用者の皆さんが楽しんでもらうことを考える。よく、自分が楽しまなければ周りも楽しんでくれるはずがないと聞くけれども、それは第二義的なこと。結果として自分も楽しめたということなのだ。
それから、職員さんの手を取らせないこと。お客さん扱いされたり、準備に手間を取らせてしまうと、その分だけ利用者さんへのケアに目が向かなくなる。
流儀?は他にもあるけれど、自分のやり方なのであとは言わない。
この活動を通じて、会場の皆さんから教えられることも沢山ある。
今回もいつものように、トークの間にアドリブ演奏を挟みながらやった。中でもビートルズのYesterdayを口ずさんだとき、一人の女性がきちんとした英語で、最後まで一緒に歌って下さったのには驚いた。
その女性はこの秋に百歳になるという。
また、表情は硬いのだけれど口元はしっかり歌っている方や、涙ぐんで歌う方もいる。
演奏が終わったあとで、思い出話をしてくださる方も多い。
人生には、その人にしか持ち合わせることができない背景がある。
その背景を、歌を通じて垣間見ることが出来るのはとても幸せなことだ。
音楽のもつ力。
その力を借りて、これからも音楽ボランティアを続ける。