この秋。職場の定期健診で異状を指摘され、改めて検査をすることになった。
結果は「重症」と出た。自分でも前から、薄々そうだろうと気づいていた疾患である。
命の危険にすぐに晒されるわけではない。しかしこのまま放置すると、将来的に重篤な疾患につながるかもしれないのだと医師から告げられた。
有効かつ確率された治療方法はある。しかしこの治療法は日常生活のなかで、今までになかった習慣を加える必要がある。
「眼が良くない人が、眼鏡をかけるようなものです」と医師は言う。
確かにそう考えれば気が楽になるが、これでは若いころから好きでやってきた趣味を諦めなければならなくなる。
そう考えると、残念で気が重くなった。
もともと好奇心が強いほうなので、いろんな趣味に手を出した。息子から「お父さんは子どものようだ」と揶揄されながらも、好きなことは好きなんだからそれでいいと思って続けてきたこともある。
ここで気持ちの切り替えをどうしようかと思い、これまでやった趣味を書き出してみた。
こうして書き出した中から選んでいくと、実は自分にとって本当に好きで続けてきたこと、そして心の底から続けたいと思う趣味はそんなに多くないことが分かった。
これからも続けていく趣味が、はっきり分かった。そしてその趣味がもっと愛しくなってきて、今までやってきた趣味を「やめる」愉しみがあるということに気づいた。
