諦めつけば、新しい自分が始まる | フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

若い頃に戻りたいなんて、全然思いません。人生は夕暮れ時からが楽しい。
音楽を通じて、出会った素敵なエピソードを綴ります。

「あきらめたら、そこでおしまい」

子どもの頃から、何度このフレーズを聞かされてきたか分からない。

確かにその通りだ。

しかし私は、世間一般が安易にそう言い表すことに対して、うんざりしてきた。




あきらめるのは良くない!

これは、いつも前を向かなきゃ…という、強迫観念に人々を追いやる。

この強迫観念は、かなりしんどい。あきらめずにいくら頑張っても、どうにもならないことがあるからだ。

例えば、今の私がプロ野球の選手になりたいと思っても、無理だ。それを「あきらめるな!」なんて言う人がいるとは思えない。

だから「あきらめたら、そこでおしまい」の活用は、全てには当てはまらない。ケースによるのだ。

そんなこと、誰もが分かっている。


あきらめたら、ずっと楽になれるし、そこから始まる何かがある。

これは、年を重ねていきながら、自分が自分自身と夢の取り引きをするようなものだ。


仏教の教えでは、諦めは断念ではなく、明らかに極めるということを意味する。

自分ときちんと向き合い、明らかに極めることによって、そこから始まるものがある。

私は、そう信じている。


こと音楽に関しては、もう人前で演奏することなど、よそうと何度も思った。

けれど、ギターやピアノを弾くのはやめようと思わない。

下手だし、しかもよく間違える。

これを明らかに極めた結果、練習するしかないと分かった。

当たりまえだけど。


ただ、とにかく人前で演奏したい!という思いはない。

こちらは、じきに自分のなかで、自分自身との取り引きが始まるのを感じている。