というより、起こされる
我が家と向かいの家との間は、車がやっと一台分通れるほどの広さしかない
その間を、年寄り集団がペラペラしゃべりながら過ぎていく
やたらと声が大きい
時には高笑いを挙げたりもする
まだ6時前にだ
まるで
お前ら!起きろ!と言わんばかりに、町内を巡回しているようだ
一昨日
目覚めたときの、あと五分の幸せに浸っていたら、例の高笑いが聞こえた
時計をみたら、またいつもの時間だ
しばらくは大目にみていたが、人の幸せをぶち壊す年寄り集団に怒りを抑えきれなくなって、外へ飛び出した
「あのう、子どもたちが起きるので、もう少し静かにしてくれませんか」
穏やかに言ったが
年寄りたちはきょとんとしている
明らかに事情が理解できていないし、この辺りでは見かけない顔だ
「まだ寝ている人もいるんだから、静かに通ってください」
さっきより語気が強くなっているのが自分で分かる
すると、後ろにいた年寄りが、舌打ちをした
もう我慢ならん

「まだわからんの?や・か・ま・し・い」
体格のいい年寄りと、睨み合いになった
このままだと、自分自身が近所迷惑になってしまう
今度はゆっくり穏やかに
「自分自身が近所迷惑になるので、これ以上は言いません。失礼します」
と、引き下がった
年寄りたちは驚いて声がでない
勝ったぞ!
翌日の朝、いつもの時間に彼らは現れなかった
やっぱり勝ったんだ!
ところが今朝、また高笑いを挙げながら通って行った
昨日現れなかったのは、単に台風がきていたせいだったのだ
こうなりゃ負けるわけにはいかない
実は次の手を考えている