掘り炬燵の思い出僕がまだ子どもの頃今日みたく、とても寒い日に外で遊んで、凍えながら家に帰った「ただいま」と言うと、返事がないいつもは、じいちゃんが迎えてくれるのにだから今度は「じいちゃん、ただいま」と叫んだでも返事がないたぶん畑に出ているんだろうこんな寒い日だから、帰ったらすぐに暖まりたいはずそう思って、掘り炬燵に火をつけようと布団をはぐったらもう火が入れてあったじいちゃんが、凍えて帰る僕のために、先に火を入れてくれたのだろう僕は、じいちゃんが大好きだった寒い日の、遠くなりゆく思い出