今朝(2014/6/7)の新聞に、ハンセン病に関する残念な記事が載っていました
この問題を知っている者は、それを世の中にキチンと伝えていかなければなりません
これは、僕に課せられた義務でもあります
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(2014年2月24日)
ハンセン病の国立療養所「大島青松園」に、昨日から泊まりこんでいます。

全国にいくつかあるハンセン病療養所の中で、香川県高松沖に浮かぶ「大島青松園」だけは、陸路では入れません。本土から橋が架けられるような距離にはないからです。


学生の頃から、サークルを通じてこの島と入園者さんたちに関わりを持たせていただき、随分と時が経ちました。
僕が島に通い始めた当時は、まだハンセン病に対する差別と偏見が強く残っており、僕自身この島に足を運ぶことを、祖母や親戚たちに強く反対されました。
ただ、両親にはこの病に対する正しい知識と、差別偏見故の強制隔離政策を事前に何度か説明していたためか、反対はされませんでした。

この島に関われば関わるほど、いわれのない差別偏見、強制隔離政策に怒りを覚えました。しかし同時に、僕自身も正しい知識を得て島にいる方々にお会いするまでは、差別者だったことも認識したのです。

療養所にいる皆さんは、とっくにハンセン病自体は治癒しています。
つまりは患者ではなくて「元患者」さんなのです。しかし、差別偏見が強くては一般社会への復帰が進みません。
それに、親や親戚たちと縁を切られている方々や、子供のころに親と無理やり引き離されて強制隔離された方々が多くいます。
こんな現実があると、今さらそれが容易ではないことが分かります。

その後ハンセン病問題については、十数年前に元患者さんたちが起こした国家賠償訴訟で国が敗れ(当然です!)、当時の小泉純一郎首相は国の長年にわたる誤った政策を認めて、元患者さんたちに謝罪しました。
徐々にこの病の問題が世に知られるにつれ、表面上は差別偏見は少なくなってきたように思います。

しかし、社会の差別偏見構造は根本的には変わっていないと思います。
差別偏見は、形を変えて連鎖します。世間にはまだ、被差別地区や障害者、特定の民族に対する差別などがあるし、最近では原発被災者までその対象となっている節があります。
それはいずれも、誤った知識や歴史認識的、政策に因るところが大きいのです。
何だか偉そうなことを書きましたが、僕自身も差別者的要素があります。だから、いつも気をつける必要があると思っています。
最後に。ブログで大島青松園のことをお知らせできるような時代がくるとは、学生時代には思いもしないことでした。当時はサークルの仲間たちとガリ版刷りの冊子を作って、周りに配ることが精一杯のことでしたから。
さて、僕が二人目のお袋のように思っている入園者さんの家へ、今から行ってきます。
体はデカいですが、ちっぽけな存在の自分が今、生きているのはこの島の方々のおかげなのです。決して大げさな話ではなくて。
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