家出

高校二年の冬に

上野行きの夜汽車で家出した


早朝の上野駅に着いた途端に、私服警官に呼び止められた


そして、親元に送還された






ブルートレインが、来春で姿を消すという


あの頃のような家出はもうできないのだ

そう思うと、残念で仕方がない

自然と寂しさが胸にこみ上げてくる


新幹線で家出することなど、情緒も何もない

ましてや、そんな金など…ないのだ


いや、ちょっと待てよ

オレはこの年で、また家出をするつもりなのか…









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