昨日出会ったタクシードライバーは、お客を迎えに来たのだろう
この炎天下で
お客が外に出てくるのを、じっと待っていた
タクシードライバー 苦労人と見えて…
中島みゆき ♪「タクシードライバー」
いろんな人生を垣間見るタクシードライバーは、確かに苦労の多い職業だろう
かく言う僕も、苦労をかけた客の一人だ
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したたか酔っぱらって、最終電車を乗り過ごしてしまった時
真冬だったせいか、駅寝するわけにもいかずタクシーに乗った
ドライバーに
「○○まで行ってください。金がこれだけしかないのですが」と打ち明けた
とんでもない客だ
しかし、初老と思しきドライバー(個人タクシーだったように記憶している)は、行けるところまで行ってやろうと、深夜の街を走り出した
「お客さん、終電を乗り過ごしたんでしょう?」
小声で、その通りですと返事をしたら
「このまま帰ったらさ、きっと嫁さんに怒られるんだよね?」
うん…と、前よりも小声で返事をした
「分かった。一緒に謝ってあげるから」
それから妙に安心して、ウトウトしていたら
「着きましたよ」
タクシーは、家の前に着いていた
ん?料金メーターが!持ち金をとっくに超えてるぞ!
タクシーを降りたら、嫁さんが出てきた
すまん…と謝る僕に、タクシードライバーは
「男にはね、いろいろあるんですよ。この人も苦労人なんだから」
と、本当に一緒に謝ってくれた
いいえ
苦労人は、あなたですよ…
それから先のことは、記憶がない
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翌朝、二日酔いの頭を抱えた僕に、嫁さんがこう教えてくれた
「超過料金はいらないから、これに免じて許してやってくださいよ」
と、僕の手持ち金しか受け取らずに、タクシーは走り去って行ったのだそうだ
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