最期のときまで | フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

若い頃に戻りたいなんて、全然思いません。人生は夕暮れ時からが楽しい。
音楽を通じて、出会った素敵なエピソードを綴ります。





先日の夜

小坂明子がテレビで「あなた」を歌っているのを視た


久々に聴くピアノと歌声

当時の歌声よりも、嗄れている

キーも、かなり下げている

けれど、それは当たり前だ

それだけ、彼女の歌声は年月を経ているのだから


若い頃のイメージを崩したくないからと、二度と人前で歌わない人がいる一方で、小坂明子のように未だに、若い頃の歌を歌っている人もいる

その賛否を問うならば、まずは自分の胸に手を当ててみるべきだろう

納得できていればよい

どちらにしても、不完全燃焼がいちばんよくない


自分なら、どうするか

いつかは、誰も聴いてくれなくなる


けれども僕は、死ぬまで歌いたい


ボロボロのマーチンD35を手に歌ってみても

もはや子供たちは聴いてもくれず

孫たちも相手にしてくれない


狭い庭に向かって歌えば

一緒に年をとった犬は、耳を垂れて知らんぷり

近所のどら猫は、全く振り向かず

日和の雀は、庭に撒いた米をついばむ間もなく、空に向かって翻る


そう考えただけでも、心が浮き立たつではないか


そうまでして、歌っているなんて


納得できるまで歌えばいい

いや、そうなる前に死ぬかもしれないが


それはそれでいいだろう

納得できる自分が、もういないのだから








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