杉山平一さん。
詩人でもあり、映画評論家でもあります。
杉山さんは、常に僕ら庶民の感情をもって、とても分かりやすい言葉を風に乗せるように、詩作をされました。
戦時下でも、戦争詩を書かなかった。いや、書けなかった詩人です。
「立ち呑み」「酔い」「遠景」「郵便函」「部屋」「羨望」「場所」「いま」・・・
僕の大好きな杉山さんの詩は、他にもまだまだあります。
だから、どんな詩なんだ?勿体ぶるんじゃねぇ~(- -;)
・・・と思われてはいけませんから、割りと知られている「いま」をご紹介します。
「いま」
もう おそい
いつも
そう思った
いまから思うと
おそくはなかったのに
まだ早い
いつも そう思った
そうして いつも
のりおくれた
大事なのは いまだ
やっと 気がついた
もう おそい
か
杉山さんは、今年の五月に亡くなられました。
とても悲しかったけれども、風に吹かれるたびに、杉山平一さんは僕にこう語りかけてくるのです。
「この切符を握りしめて、私は行き行き、どこまでも行くでしょう」
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