ボイスドラマ制作サークル 心音-CoCone- の新作が公開されました。

タイトルと公開ページはこちら。



『腹話術の男と猫のぬいぐるみ』




ど~も、聴いてくださってありがとうございます。

第3弾となりました、この作品、いかがでしたでしょうか?

この作品は、コミネユウタさんの声と、天海 猫さんの声から生まれた物語です。
ふたりの声でどんな短編を書いてみようか? そこから始めたアイデアでした。

以前から「ボイスドラマで聴いたらおもしろいこと」を描いてみたいと考えていました。
今回は、そのアイデアの種のひとつを持ってきてみました。
『腹話術』というのは、声を使ったパフォーマンスです。
ボイスドラマとの共通点はもちろんありますが、『腹話術』は見えてこそその凄さと難しさが伝わるわけです。
声だけ聴いたら、なにもすごいことをしていないことは、すでにおわかりだと思います。
その「なにもすごいことをしていない腹話術」を成立させるボイスドラマはそれ自体が「なにも意味を成さない可能性」があります。
脚本を書くにあたって、それはそれは恐ろしいことです。
だって、聴き終わって、

…… 「で?」 …… 

という、おぞましい感想を頂いてしまう可能性がおおいに有り得るからです。
今回の脚本で何かを達成するとしたら、
再生ボタンを押したあなたが初めてこの物語を聞いたときに、
『腹話術を練習している男と、その男が操る何らかの猫のぬいぐるみ』のふたりが会話をしている場面を想像できたなら、
それ自体が成果であり、目標の達成です。
もっと言うならば、想像の世界の中では、猫のぬいぐるみの声を出しているのが、
腹話術の練習をしている男であり、天海 猫さんの声では無い。
そうやってすでに物語の中に入り込んでその声を聴いていたのなら、
それは、ボイスドラマとしての成果、脚本担当のおだの目標が達成された瞬間なのです。

よくよく考えたら、誰も腹話術をしてません。
コミネさんは、口をしっかりと開けて台詞をマイクにのせて「腹話術師だと言い張って」います。
天海 猫さんも、口をしっかりと開けて台詞をマイクにのせて「クソだなんだと悪態をついて」います。
むしろ、物語の中の『腹話術を練習している男』ですら、ワイフ(妻)に言わせると腹話術になっていないわけです。(それが話のオチですが)
誰が腹話術をしているのか?
それは、物語のオチの直前(5分55秒)までのほんの短い間、聴いている人の想像の中に住む、『腹話術を練習している男』ただひとりなのです。

物語の中の男は、必死で「おもしろいこと」を探しています。
誠実で、革新的で、斬新なキャラクタライズ(登場人物設定)とは何なのか?
これこそ、この物語のテーマとして設定した内容です。

映像(見える真実)を用意しない世界
声と音と設定のみで語られる世界
その世界が少しずつ小出しにしていく情報源に聞き耳を立てて、
その世界が織り成す誠実なウソに、素直に騙されていくことこそ
「ボイスドラマで聴いたらおもしろいこと」なのかもしれません。

あなたの想像した猫のぬいぐるみは、どんな色でしたか?