『 記憶 』
***シーン010 @景子
誰だって、眠ってしまったら次にやることは起きること。是、宇宙の法則なり。
とかなんとかぼんやりとした頭の中を巡っていったのは国語の試験勉強のやりすぎかも。
好きな教科はすぐに終わる。なのに、苦手な教科はうーんと時間がかかる。
みんなそうだと言うけど、実は私ほど時間はかからないんじゃないかと不安になる。
みんなはもっとするりするりと抜け出すように試験勉強をしてしまっているに違いない。なんて考えてしまう。
社会も試験勉強しなきゃ。それに数学の宿題が残っていたっけ……と、……起きてみたら、私は白い空間に居た。
壁も白くて、眠っている布団も、カーテンも白くて、時計も白くて、でも5時半とかを指していた時計の針は黒くて、病院みたいだった。
朝日のまどろみが心を溶かすように部屋に広がっている。私はちょっと綺麗かもとうっとりしてしまった。
それで、尋ねたの。
「ここはどこ?」って
そしたら、高校生くらいの女の子がいて、「病院」と教えてくれた。
詳しい名前も教えてくれたけど、学校の近くにあることだけはわかった。
頭の中に痛みの粒があるみたいに小さく疼く。
数えて4回。その疼きが止んで少し落ちついた。
右を向くと、一人の男性が心配そうに座っている。
私はその人に尋ねた。見覚えが無かったから。だから尋ねた。
「あなた、誰?」と。