深い森のみどり色の朝 -29ページ目

深い森のみどり色の朝

人間界の涙は、まだ夜が明ける前の森の中に朝露になって降りてくる。夜のうちに、漆黒の魔法使いが呪文を唱えてくれるからね。 ぼくは、その朝露を瓶に詰めて、シャンプーを作る。特に六月の早朝に。

 

 最近、ハロウィンと言っても何だか地味に過ごしている。 町の飾りなどには何とも言えない幸福感は感じるんだけどね、心の余裕の問題かな。 でも、月の光にはその透明さに強く心揺さぶられ、毎晩窓を開けて空を見た。 月夜の森は騒がしいエネルギーで満ちている。 そして。開けるたびに日ごと、空気は冷たくなってきた。