深い森のみどり色の朝 -10ページ目

深い森のみどり色の朝

人間界の涙は、まだ夜が明ける前の森の中に朝露になって降りてくる。夜のうちに、漆黒の魔法使いが呪文を唱えてくれるからね。 ぼくは、その朝露を瓶に詰めて、シャンプーを作る。特に六月の早朝に。

母美智子を迎えに行った。

こんな日が来るとは思っておらず、もう会うことはないとすら

思っていた。

 

外は雪がちらついている。

ブーツと帽子、コートなどを持って迎えに行った。

 

 

出て来た母は、明らかにイラつき、

コートや靴どころか、持って行ってあったセーターすら着ておらず! 雪の中素足で帰宅することに。

                    悲しい

 

介護認定5と 覚悟していたが、

コロナ面会制限で入院後初めて会う母は、思ってたよりしっかりしており、 自分で立って乗車。

 

車の中では、今すぐ帰れコールが30分。

全く10秒も待てない母が居た。

 

 

家へついに戻った。

こんな日がくるとは、

中枢神経原発性悪性リンパ腫の手術の次の日

肺炎と脳梗塞を同時併発。

 

抗がん剤は3度目で腎臓がやられて中断となった。

 

腫瘍が収まれば、元の本人が戻ってくるだろう。

そう思っていたが、母は戻らなかった。

 

医師曰く、

元から認知症だったのでは!!

とな。