☆マイクロ波とは

一般的に、波長 1mから0.1mm、周波数 300MHzから3THzの電波(電磁波)を指し、この範囲には、デシメートル波 (UHF)、センチメートル波 (SHF)、ミリメートル波 (EHF)、サブミリ波が含まれる。

 

 

マイクロ波は、周波数の呼称色々。レーダーはIEEEが使われている。

 

マイクロ波伝送線路には一般的に同軸ケーブルが使われるが、出力(電力・ワット数)の高いものには金属製の導波管が用いられる。また、近年ではマイクロストリップ線路など共に固体化(半導体)された発振器の利用も増えてきている。

昔は周波数が高いと表皮効果で減衰が激しく銅線(基板なども)が使えないと言われていたが、出力側の出力を周波数によって可変し受け側のレベルを同じにするなどで、現在は50GHz程度までは大丈夫の様で有る。

 

マイクロ波が物質に照射された場合の現象

マイクロ波は光と同じ速度で空間を伝播して、物質に当たると“反射、透過及び吸収”の異なった現象起こす。マイクロ波が金属や誘電体に当った場合、金属では反射、誘電体では反射・透過・吸収となる。

尚、同じ誘電体でもマイクロ波損失係数(εrtanδ)が大きい場合と小さい場合とでは、反射・透過・吸収の度合いが異なる。(下図参照)

 

 

金属にマイクロ波が当たった場合

マイクロ波は金属に当たると殆ど反射するが、ごく一部は誘導加熱(無視できる程度)により吸収される。

誘電体(損失係数:小)の場合

樹脂のような損失係数(εrtanδ)が極く小さい誘電体は、マイクロ波はあまり吸収されずに殆ど透過する。この場合、マイクロ波は誘電体の両面で(空気と誘電体の境界面で)少し反射する。

誘電体(損失係数:大)の場合

マイクロ波は、誘電体に殆ど吸収され(損失係数による)誘電体自身を加熱し、吸収されなかったマイクロ波は透過する。この場合でもマイクロ波は物質の両面にて反射し、その程度は損失係数が大きいほど反射率は大きくなる。

 

 

雑学:マイクロ波加熱の応用

マイクロ波殺菌

マイクロ波が殺菌に利用され始めたのは、約40年ほど前であり、家庭用電子レンジが普及し始めた頃です。原理はマイクロ波照射により、微生物あるいは食品中に存在する水分子がエネルギーを吸収して振動して発熱します。マイクロ波殺菌の特徴は、殺菌すべき微生物 内に水分が存在すれば、細胞内部から加熱されるので短時間で殺菌処理が可能となります。

 

私の場合、この殺菌力を利用して残り物の食材を電子レンジにかけてから冷蔵庫に保管するようにしています。

 

串団子の殺菌・防黴例

 

 

マイクロ波の応用分野は広く、衛星テレビ放送、マイクロ波通信、レーダー、マイクロ波プラズマ、マイクロ波加熱(電子レンジ)、マイクロ波治療、マイクロ波分光法、マイクロ波化学、マイクロ波送電、マイクロ波イメージングなどがある

 

以上です。

 

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