クライストロンklystronとは、マイクロ波真空管の一種で、速度変調管とも呼ばれる。
この種の装置は、マイクロ波周波数の増幅器およびRF信号源として(無線中継システムや誘電加熱)また発振器として(連続波ドップラーレーダーシステムなどに)使用される。

クライストロンは線形ビーム装置です。

つまり、電子の流れは軸方向の磁場によって集束された直線になります。陰極から放出された電子の速度は変調されて密度変調電子ビームを生成する。

 

 

増幅・発振ともに可能な直進形クライストロン(two-cavity klystron)と発振専用の反射形クライストロン(reflex klystron)がある。通常のクライストロンでは、直流から高周波への変換効率は、6070%あたりまでで、電子ビームの余剰運動エネルギーはコレクターで熱に変換される。

 

反射型クライストロン

空洞共振器を単独で使い、一つの共振器を高周波電場の入力と出力として同時に用いて反射電極で電子を逆行させて共振によるマイクロ波を発生させる。通信装置、測定器に多用していたが、現在はこれらの装置は固体装置に変わり反射型は、使われていない。出力 数mW~数100mW 

 

 

直進形クライストロン

共鳴箱に取り付けた2つの音叉を離しておいて、片方の音叉を鳴らすと、もう一方の音叉も鳴り始めます。これと同様に、2つの空洞共振器を電極ではさんだ構造となっているのが直進型と呼ばれるクライストロン。入力共振器に入った電波は、出力共振器から出てきますが、その間に陰極から陽極に向けて放出された電子流によってエネルギー供給されて、電波が増幅されるというしくみです。

現在の直進型クライストロンは、空洞共振器を複数個を直列につなぐ構造で複数の共振器の間で速度変調と密度変調を繰り返すことによってマイクロ波を発生させ、大きな出力を取り出せる幸三著成って入る。増幅器としては進行波管よりも周波数帯域幅が狭い。

 

CW(連続波)クライストロンは、出力101300KW周波数0.3535GHzUHF TV、各種通信、粒子加速、誘電加熱など

パルスクライストロンは、出力1100MW周波数0.3235GHzで船舶・航空・気象用レーダー、粒子加速、誘電加熱など

  


Two-cavity klystron2空胴クライストロン)

How a Klystron amplifier works

 

 

構造と動作原理

 

 

陰極(カソード)から放出された電子は陽極(アノード)により加速され、入力空胴部に入る。

入力空胴部に導入されたマイクロ波の位相により、電子が加速(正位相)または減速(負位相)される。(速度変調)

一様電界中を走行する間に、加速電子と減速電子が集合し(密度変調)、次第に集群(バンチ)される。

集群(バンチ)された電子は、中間空胴部における自己誘導高周波電界により徐々に強大化する。

  最後に、集群された電子ビームが出力空胴を通過する際に強大な交流電界を誘起し、大電力マイクロ波が出力窓を通して出力される。

 

Klystron Animation (nicht ganz physikalisch korrekt)

 

 

 

気象レーダーシステム

 

 

加速器の場合    RF Cavity

 

次回は、進行波管

追記:使用例の良い物が有ったら追加予定です。

 

以上です。

 

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