そうか あのまま眠ってしまったのか
君の頭を撫でてみた。ふんわりした髪越しに君の体温が伝わってくる。
まだ寝てるのか どんな寝顔だろう
右腕に乗っている君の頭に気を付けながら、逆の方の手を使って顔を隠してしまっている前髪をそっと横に動かした。
なんだか僕は人生の一つを知ってしまった気がした。こっぱずかしいことだが、君と生きることがそうなんじゃないかと。
おっと もう起きそうだな
もっと自分の中のこの感情に浸っていたい気持ちもあったが、ちょっとした君への悪戯を思いついたので、そっと僕は狸寝入りをした。
君が僕の腕の中で目を覚ました。おっとさっそく腕を除けられたぞ。そしてどうやら上半身を起こしたらしい。
さて 演技開始
「・・・あれ 俺寝てた?」
「そ、そうみたいですね」
「あぁ ・・・まさか寝ちまうとはな」
僕は体をそっと起こしてタイミングを計る。
「まったくですよ って ちょっ」
後ろから抱きしめてみた。柔らかくて温かい。
「・・・・・」
「・・・・・」
さて 今はどんな顔なのかな
僕は君の右の頬に自分の左の頬に寄せるように君の顔を盗み見た
・・・まったく なんて顔してんだよ
僕はそのまま君の肩をベットに押し付けた。
さっき起きたばっかりなのに申し訳ないな でも お前のせいだぞ こらっ
そのまま唇を重ねた。お前がそんな顔をするからだ。
このとき感じた感情を 僕は幸せと呼ぶことにした。
