「もし、彼がもう一度やり直そうといってくれ『たら』」。
「もし、あのとき私がこうしてい『たら』」。
「あのとき気づいてい『れば』‥‥」

んなもん、徒労です。
『たら』も『れば』がなかったから現在があるんです。
 と、友人に指摘されて気づいた小田切です。


「あなたも結婚して『たら』いいのにねぇ~」
といやみをいわれても、『たら』は北海道! と叫んで前だけ見て進んでゆく。そういうヒロインが田辺聖子さんの小説に登場しました。
「風をください」の「すみれ」。

年下の大学生と恋に落ちて振り回されつつも、仕事ができて、友達と本音話ができて、昔の男が言い寄ってきても軽くかわせる、恋多き女。

はじめて読んだのは私自身まだ大学生の時。
その頃は「すみれ」のそういうポジティブさにあこがれるよりも、仕事のできない後輩に「子羊」とか「穴熊」とかあだ名をつけてビシッとやっつける気の強さに引いてました。

だけど『タラは北海道』のフレーズは強く心に残っていました。



離婚調停という状況になってからというもの、
「私があの時、姑に子供を預けなかったら」
「ダンナがああ言ったとき彼のマザコンに気づいてたら」
 と、「たられば」ばっかり考える日々が続きました。
 でも、それこそ空回りでした。
起こったことを受け入れて、それなりの教訓とか、ネタとかつかみとっていくしかないね。


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