こんにちは。

 

フリーアナウンサー、インタビュアーの小田根実穂です。



最近、白雪姫の絵本に夢中の娘。

「ねえ、しんでしまうって、どういうこと?」

「うーん。もう会えなくなるってことだよ」


そんな会話をした数日後、お世話になった方と本当に会えなくなってしまうなんて、思っていませんでした。


 

きょう、タレントの西條遊児さんとお別れをしてきました。

 

遊児さんは、私の母世代に大人気の芸人・西條凡児さんの息子さん。

弟さん・笑児さんと漫才コンビを組まれていました。

(遊児さんのお話では、デビューはやすしきよしと同じ頃だったとか。)

そして、地元神戸のタレントとして、ラジオ関西、サンテレビの番組に数多く出演。

阪神淡路大震災の翌年に弟・笑児さんが亡くなり、一人で活動されるようになってからも

愛する地元神戸、兵庫の魅力を伝えるべく、精力的に活動を続けられました。

 

神戸市の広報ラジオ番組「サンデー神戸」は、前進の「みんなの神戸」(間違っていたらすみません)から数えると50年以上は続いていると思われます。(記録が残っていないのであやふやですが)

遊児さんは、その初期のころからパーソナリティーを務められていました。

 

 

私は、2005年4月から2014年3月までの9年間、この番組でアシスタントを務めさせていただきました。

 

 

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遊児さんは「上品な紳士」というイメージ。

いつもジャケットを羽織り、しっかりした足取りで歩かれる。

マジメで実直…というのが、お人柄を表す言葉としてぴったりかな。

 

ぼくはな、市や県の広報番組を担当する人間として

人様に顔向けでけん行動はやったらあかんと思うてきてん。

普段のちょっとした時にそれがでるわけや。

せやから、ちゃんとしとかなあかんと思うてる。

 

その言葉を聴いてから、遊児さんらしいな~と思ったのと同時に

私自身も、世間に顔向けできない行動はしないようにしよう。

法律やルールを守るのは当たり前で、ふとした言葉や態度にも気を付けるようになりました。

 

遊児さんの口から、人を批判する言葉は聞いたことがありません。

若い人に対しても理解があり、必ずその人の良いところを見つける。

遊児さんを知る全ての人がそう思っておられるでしょう。

 

先日、12日祝日の早朝。

コメンテーターをつとめる「三上公也の情報アサイチ」の放送開始、午前6時になっても現れなかった遊児さん。

スタッフやご家族もあちこち探されていたのですが、その後ラジオ関西の入るビルのトイレで倒れておられるのが見つかりました。

心筋梗塞だったそうです。

享年80歳でした。

 

その前日までお元気になさっていたので、ご家族も関係者も、ただただ驚くばかり。

「多分、本人も気づいてないと思います」と、ご家族もおっしゃっていました。

 

そう、この状況に一番驚いているのはご本人ではないかと思います。

常日頃、健康には人一倍気を使い、できるだけ歩き、本や新聞をたくさん読み、中国語の勉強もされていました。

 

そやねん。ぼく、そんなつもりやなかってんで。

ほんまびっくりやわ。ビックリションマークや!

(遊時さんは「!」このマークのことをそうおっしゃいます)

 

そう言って、どこかから出てくるのではないかと、今日の今日まで思っていたのですが。

 

 

遊児さん

 

こんな日はいつか来るかもしれないけれど、やっぱり寂しいです。

急すぎますよ、本当に。

でも、取材大好きな遊児さんのことですから、きっと天国でもあちこち動き回られることでしょう。

私たちがそちらへ行くときには、それまで撮りためた音やお話を聞かせてください。

楽しみにしています。

ありがとうございました。

 

小田根

 

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番組をご一緒しているときに、神戸市で動画を作成されました。

5年ほど前の動画ですが、ここに遊児さんのお人柄の全てが集約されていると思います。

ぜひご覧ください。

 

「できればボケずにおしゃべりの仕事を続けていきたい」

生涯現役、その通りになりましたね!