品格問題
自分は無職のおっさんだ。今はバイトすらしていない。半年ほど前の話。用事があって、デパートにでかけた。デパートに来るなんて何年ぶりなんだろう。1階は、スイーツの店舗が入っている。全部おいしそうで買ってしまいそうになる。でもくたびれたおっさんが、スイーツを買うのもちょっと気が引けるのでやめといた。どうやら催事場で、北海道展をやってるらしい。せっかくだからちょっと覗いてみる事にした。催事場に行ってみると北海道展は思いのほか、客が少なくて盛り上がっていない。平日だからなのかな?スープカレーや、北海道のスイーツなどが出店している。自分は以前、仕事で札幌に住んでいた事があるので懐かしくなる。店を見ながらフラフラ歩いてると、列が出来ている店を見つけた。ショーケースには、カニ丼、いくら丼、ウニ丼などの海鮮の弁当がならんいる。海鮮丼の店だった。やはりお値段は結構高い。う〜ん、どうしよかな。でもせっかく北海道展に来たんだから買ってみるか。で、列に接続した。列に並んでいる間に、メニューを見てみると、限定50食の豪華海鮮丼がある事がわかった。エビ、帆立、カニ、ウニ、サーモンがぎっちり詰まっている。これうまそー。よしこれだ。列は残り10人ほどだ。ショーケースを見ると、残りは9個あった。う〜ん、売り切れちゃうかも・・・俺、運持ってないもんな・・・。で、列はゆっくり進み、自分の前は、清楚なおばあさまと、成金っぽいおじいさんの二人になった。ショーケースには限定が残り5個。よしこれならイケるかも。で、清楚ばおばあさまが、限定とウニいくら丼を買った。おそらく、家で旦那さんと弁当を交換しながら楽しむのだろう。羨ましい。限定はあと残り4個。これで確信した。絶対に限定をゲットできると!!どうしようかな?日本酒と合わせたいよな〜。でも昼間から呑まないって決めてるしな〜。でも、海鮮丼と合わせたいしな〜〜。今日は昼から呑んじゃおうかな?なんて妄想していたら、自分の前に並んでいた成金じいさんがおもむろに「残ってる限定全部ちょうだい」と信じられない事を言ってきたのだ。自分は思わず「えっ?」と言ってしまった。自分の後ろに並んでいた、若夫婦も「え〜、どうしよ〜」と言っていた。この夫婦も限定を狙っていたのだろう。そして自分の「えっ!」とう声に反応するように、成金ジジイはこちらに振り返って、ニヤッとしながら「いやー悪いね〜〜』みたいな顔をこっちに向けてきた。確実に俺や、後ろの若夫婦の反応を楽しんでいるのだ。そして満足そうな顔で、買い占めた弁当を持って帰って行ったのだった。このジジイは限定を買い占める事が目的だったのだろう。注文の時に、「4個ください」ではなくて「残ってるの全部ちょうだい」と言っていたので間違いない。ホントに弁当が4個必要だったら、違う弁当も織り交ぜて買ったほうがいい。いろんなバリエーションがあったほうが、楽しいに決まってる。あのジジイは買い占めて優越感に浸りたかっただけなのだ。もはや人しての品格がなさすぎる!!運のない自分にもめちゃくちゃ腹立ったが、仕方ない。悔しいので限定の次に高価なカニいくら丼を買ってやった。で、家に帰って食べてみたらカニがメチャメチャうまかった。限定にはカニの身はちょっとしか入っていなかったから、結果オーライか。でもジジイのあのドヤ顔、絶対に忘れない・・・。