スタバレ二次創作

ソラリオンクロニクル
~黒夢の魔王城~

👉️アビゲイルと一緒に冒険したかった。



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アレックス「一緒に冒険したかったって、今さらそんなこと言ったって仕方がないだろ~。しかも、戦闘力もない、モブだったじゃないか。」

 

セバスチャン「一般NPCと同程度って言ったんだ。つまり……レベル1みたいなものだから、レベルアップすれば、いいんだろ。」

 

サム「あぁ、今回は魔王討伐クエストだから無理だったけど、次にソラリオンをやる時は、アイテムあげて、一緒にレベルあげして、初心者向けのクエストをやったいいんじゃないか?」

 

セバスチャン「退屈そうだな。」

 

サム「初心者に優しくしないと、ゲームが滅ぶぞ。」

 

アレックス「?」

 

ユウ「にわかお断りの空気のゲームは、新規参入者がいないせいか、ゲーム事態が終わっちゃうことがあるんだって。」

 

サム「アビゲイルなら、魔法戦士とかいいんじゃないか?んで、獣人族やらせようぜ!」

 

ユウ「ネズミがいいかな?」

 

セブ「カエルじゃないか?」

 

アレックス「もっとかわいいアニマル選んでやれんのか。」

 

セバスチャン「まぁいい、そろそろ出発しないか?」

 

立ち上がるセバスチャンの後を追い、図書館を後にする冒険者一行。

 

扉が締まり、誰も居なくなると、本棚から、黒い本が浮遊し、魔力が渦巻いた。

 

 

 

 

 

 

 

一行は、巨大な扉にたどり着いた。地獄の門のように、おどろおどろしい彫刻がほどこされている。

 

サム「ボス部屋ってやつかな。扉に罠も鍵もない。」

 

ユウ「みんな、準備はいい?」

 

一同はうなずき、地獄の扉を開いた。

 

室内は一切の光りがなく、暗闇で何も見えない。

 

サムが、先導し、部屋に踏み入れる。

 

すると、青白い炎の照明が燃え上がる。

 

奥に魔方陣が怪しく光り、そこにはマントを羽織った人物が、こちらに背を向けて立っていた。

 

「つむがれよ、天と地の間に…」

 

紫の髪のその人物は、振り替える。

 

「この大地の命と引き換えに…………」

 

一同があっと息を飲む。

 

そこには、アビゲイルが立っていた。

 

ユウ「アビゲイル!どうしてここに?王宮に帰ったんじゃないの?」

 

アビゲイル「ふふ、こうでもしなきゃ、私、参加できないじゃない!」

 

ユウ「なんのこと?」

 

アビゲイル「私がラスボス、魔王ってこと。さぁ遊びましょう。」

 

アビゲイルが、人差し指で宙に魔方陣を描く。

 

アビゲイル「ヘルガイザー」

 

アビゲイルが指を指すと、天井から光が降り注ぎ、悪霊達が暴れ、四散した。

 

サム「痛ってぇ~~~ッ!」

 

アレックス「結構ダメージでかいぞ……!」

 

ユウ「呪いのデバフがかかってる…!こんな魔法知らないよ。」

 

苦痛に顔を歪ませ、セバスチャンが魔法を放つ。

 

セバスチャン「ファイアーストーム!」

 

炎の竜巻がアビゲイルを襲う。

 

アビゲイル「そうこなくっちゃ。バリアチェンジ・ウォーター」

 

アレックス「なんだあの魔法?!聞いたことないぞ!」

 

ユウ「我らに識別する力を与えよ!ラテュマピック!」

 

セバスチャン「水属性以外で回復?なんだそれ特殊すぎる。マジで………ボス戦なのか?!」

 

アビゲイル「そうだって言ってるじゃない!」

 

剣でアレックスと切り結ぶアビゲイル。

 

サム「なななんでアビゲイルが、ボスなんだ!?」

 

ユウ「サム!バトルソングで、呪いのデバフ解除をお願い!」

 

愛用のギターをかき鳴らすが、戸惑いが隠せない。

 

セバスチャン「ウォーターランス!」

 

アビゲイル「さすがね!セブ!ちゃんと対応してくるわね!バリアチェンジ・サンダー」

 

ユウ「ウォーターアロー!……あっ!」

 

一瞬だけアビゲイルの属性変化魔法が早かった。雷以外の属性攻撃は、アビゲイルを回復させてしまう。

 

アレックス「どういことだ!アビゲイル!?」

 

アビゲイル「プリンセスなんかつまんないから、魔王になって、あんた達をボコってやろうってことよ!後悔させてやるわ!」

 

単純な素人の力をまかせの殴打戦だった。もともと重装備で動きの遅いアレックスは、アビゲイルが敵であることに、戸惑い、攻撃にためらいがある。防戦一方である。

 

セバスチャン「ライトニングボルト!」

 

アビゲイル「的確に攻撃してきて、腹が立つ……!」

 

大きく跳躍して後ろに下がる。バリアをといて、呪文を詠唱しはじめた。

 

アレックス「止めろ!でかい魔法攻撃がくるぞ!」

 

サム「ごめん!アビゲイル!」

 

駆け寄るアレックス。サムはナイフを投げる。

 

アビゲイル「サム!優しすぎるんじゃない??」

 

アビゲイルはナイフを剣で落とし、アレックスの一撃を剣で受けきる。詠唱は止まらない。

 

セバスチャン「メテオストライク!」

 

アビゲイル「セブ!あんた覚えてなさいよ!」

 

ユウ「みんなバリアの中に!アレックス早く!バリアドーム!」

 

アビゲイルの詠唱が終わる。

 

アビゲイル「ダークマター!」

 

アビゲイルの周りに水銀色の球体が四つ浮かび、巨大な三角錐が回転し、その中には星空が広がっていた。

 

ユウ「なにこれぇ!??」

 

四方八方に引っ張られ、圧をかけられ、強烈な吐き気とめまいと肉体の痛み、冒険者一同は、ある者のは膝をつき、ある者は倒れこんだ。

 

 

 

アビゲイル「ユウ、冒険は楽しいわね。仲間じゃないのが、残念。」

 

ユウ「アビゲイル、どうして魔王に……?」

 

アビゲイル「私だって一緒に冒険したかったのに、私じゃダメだって、仲間外れにしたから……一緒に冒険にしたかったのに……」

 

サム「それってさ…………」

 

横たわっていたサムが身を起こした。

 

サム「魔王が仲間になるってこと………??」

 

ユウ「胸アツ展開じゃんソレ……」

 

アレックス「そんなゲーム昔あったような……」

 

セバスチャン「あれだ。アビゲイルの好きなゲーム。」

 

「「クロノ・トリガーだ。」」

 

全員の声がはもった。

 

思わず笑い声が溢れだす。

 

ユウ「イテテ……とりあえず、みんなのHP回復させていい?……メガヒール………」

 

アレックス「プリンセスじゃつまらないから、魔王になったか………とんだお転婆だな。」

 

サム「アレックスより強かったな。」

 

セバスチャン「なぜ魔王に…?わけがわからないよ。」

 

ユウ「アビゲイル、もちろん仲間に大歓迎だよ。

さっきは、装備もスキルも、クエストの難易度とかけ離れていて、危なかったから、王宮に帰ってもらったんだ。

レベル1だってよかったのに、こんなに強い魔王が仲間になってくれるなんて、サイコーすぎるよ!」

 

アビゲイル「………………ありがとう、ユウ。

私、なんだか、変な夢をみていたみたい……」

 

ユウ「変な夢………?」

 

アビゲイル「目が覚めたら、会いに行くから、一緒に遊びましょう。」

 

ユウ「うん?待ってるね。」

 

そして、冒険の夢は、終わりを向かえたんだ。

 

 

 

 



ロビン「セブ、開けるわよー。ちょっとあんた達!まだ昼間だっていうのに、こんなのお酒飲んで酔いつぶれて、なにやってるのよ!」

 

ユウ「あれ……ロビンさん??」

 

セバスチャン「…………??」

 

サム「…………ラムコークしか勝たんのよぉ……」

 

ロビン「アビゲイルが遊びに来たわよ。」

 

冒険の夢から覚めたのか。

 

セバスチャンの部屋には、酒ビンだの、ソフトドリンクだの、スナックだの、カードゲームなどが散乱していた。

 

ユウは机に突っ伏していて、セバスチャンはベッドに倒れ、サムは酒ビンを抱いてパンツ一枚で床に寝ていた。

 

アビゲイル「あーぁー、だらしないわねぇ。」

 

酒カスどもは、部屋にやってきたアビゲイルを見る。

 

アビゲイル「私が来てあげたわよ!遊ぶんだったら、私も仲間に入れてよね!」

 

あぁぁ………よし、酒はもう今日はやめて、健全にソラリオンクロニクルをはじめようか。

 

太陽も高く、若者たちの休日は、まだまだ終わらないのだった。

 

 

 

 

Good end!みんなで遊ぼう!

 

 

 

 

 

 

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※エンディングは全5種類


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