※注意※

このお話はゲーム「スタデュバレー(switch版)」の二次創作です。「ラム酒」などゲームには出てこない単語・情報が出てきます。ご注意ください。全16話にっこり



↓第1話はこちら↓


https://ameblo.jp/october-rabbit-1010/entry-12788728185.html 





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第15話_人魚のペンダントの伝承

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「…そんなことが、あったんだ…。」


僕は美しい物語に、心の底から感激をした。

「あぁ…!なんてことだ…! 

なんて素敵な話なんだ…!!

まさに、現実は小説より奇なり!!

下手な小説より、市井を生きる人々の人生のほうがドラマチックだと、僕は常々思っていたんだ。

今まさにそれは実証されたよ…!

これは、ペリカンタウンに降る雨のセレナーデと、そう名付けてもよいお話だね…!!」

「エリオット、落ち着いてよ。ちょっとうるさいわ。

でも、本当に、すごい体験談ね。人魚のペンダントに、そんな逸話があったのね。」

「さて、そろそろ本題に入ろうか。

きみは。

あの人に。

人魚のペンダントを、渡したのかい?」


「…まぁ、ね…。」

僕の友人は、照れながらつぶやいた。


僕は勢いよく立ち上がり、大声を酒場にはりあげた。

「みなさん!聞いてください!!

秋の豊穣と、美しき秋雨に恵まれるこの善き日に!

なんと!!!

僕の友人が婚約をいたしました!!

みなさん、一緒にお祝いください!!

友人の新たなる船出に祝福を!!!」



もうそれからは大盛り上がりだった。

婚約した二人は引っ張りだされ、ひっつかされた。当たり前だ。

これはめでたい!と、町長が店にいる全員に酒を振る舞った。

ガスも、次から次へと料理を振る舞う。

シェーンは、ことあるごとに乾杯を繰り返し、笑ったり、ぐちぐち言ったり、壊れた人形みたいに酔っ払った。

サムは終始笑顔だし、アビゲイルは「しあわせになりなさいよねー!もう!!!」と浴びるように飲んでいた。

みんな笑顔でお祝いを口に、今夜の主役たちのを取り囲んだ。

パムはいつもよりご機嫌に酔い、いつもより早くつぶれた。

ジュークボックスの音楽は盛り上がりをみせ、酔っ払ったエミリーは、机に立って歌って踊った。

僕も、とうとう千鳥足で踊り、リアは手を叩いてはしゃいで笑っていた。




深夜まで大騒ぎ。

なんて美しい秋の夜だろう。





ちなみに、後日、ガスは、ジョージさんに、深夜に騒がしい店だと、怒られたそうだ。






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つづく