※注意※
このお話はゲーム「スタデュバレー(switch版)」の二次創作です。「ラム酒」などゲームには出てこない単語・情報が出てきます。ご注意ください。全16話

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https://ameblo.jp/october-rabbit-1010/entry-12788728185.html
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第7話_人魚のペンダントの伝承
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雨の中、釣りに出た兄は、近くに落ちた雷鳴に驚き、竿を手放し、慌てた拍子に、桟橋から海に落ちてしまった。
波は大荒れで、服は海水を吸って重く、咄嗟のことで方向感覚も失い、海面がどこかわからなくなってしまった。
海中で服を脱ごうとするが、気が動転し、うまく脱げない。
波に翻弄されてしまい、体は海の中を転がり、あぁ、これはダメかもしれない、そう思った時に、勢いよく流された。
ぐんぐん、ぐんぐん、流される。
大きくうねる魚の尾を見ながら、意識は遠退いていった。
目を覚ますと、女が心配して覗き込んでいた。
身を起こし、女を眺めて唖然とする。
美しい人魚が、溺れた兄を助けたのだった。
ふたりは恋に落ちた。
村人に人魚の姿を見られたら、大変だ。
人間は理解できないものに、容赦が無い時がある。
二人は、人目を避けて、雨の日に逢瀬をかさねた。
雨が降ったら、海辺の奥の岩場で会おう。
約束を交わし、兄は、雨を待ちわびるようになった。
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つづく