まだ子供達が未就学児童だった頃

大学で教えていたり、語学学校経営者だったりと

何人かの日本語教師にお会いしました。

そして

 

「うちの子は日本語が出来ません」

 

と言うのを聞いて

 

  なんで?

 

と思いました。

 

でも

 

今なら納得です!

 

 

まず初めに

単一民族の国で育った日本人の方は

国際結婚をした人に対して大きな誤解をしています。

 

白人種と結婚した時

 

「赤ちゃん、ハーフだから可愛い子が生まれるね」

 

よく言われました。

未だ、妊娠もしていないのに。

そして

ハーフだからって可愛くなるとは限りません!

テレビで見るハーフは美形だからタレントやモデルになっているのです!

 

「青い目の子が生まれるね」

 

確かに父親は青い目ですが

茶色い目の方が強いのです!

うちの子達は生まれた時は真っ青な目の色でしたが

だんだん茶色に変わっていきました。

目の色が変わるって、びっくりですよね(笑)

 

こんな感じで

多くの日本の方がハーフジャパニーズに対して

間違えた先入観を持っていらっしゃるようです。

 

更にこんな事も言われました。

 

「日本語と英語、バイリンガルになって良いね♪」

 

いやいや、バイリンガルはDNAではならないから!

 

 

アメリカ在住と言っても国土が広いですから

日本人が沢山住んでいるカリフォルニア州やニューヨークなどは

日系の学校があったり、プレイグループもあって

日本語に触れる機会も多いです。

 

ですが

 

私の住む所は

以前は全く日系の学校はなかったし

偶然に日本人親子に会うと言う事はとても稀です。

 

そんな所で日本語教育をするのはとてもとても大変なんです。

 

なぜなら

 

言葉は使ってなんぼ

幼稚園や小学校に行くと100%英語の世界になります。

ぐっと英語力が発達します。

 

子供はスポンジのように吸収して

ザルのように忘れていきます!

 

家に帰って来て

「今日はプリスクールで何したの?」と聞いたら

子供は英語で答えます。

 

なぜなら英語の方が簡単に話せるから。

大好きなお母さんに早く話したい!時が焦っています。

小さい頃の娘、日本語を話すのに頭でコンピュータが動くがごとく

一生懸命に日本語の言葉を出そうとしているのが見て取れました。

 

だから

母親が日本語で尋ねても

子供は英語で答える

と言う事がどんどん増えて行きます。

 

これをそのままにすると

だんだん日本語を話さなくなってしまいます。

 

子供が小さい時

私は一日に何度も

「日本語で」と言いました。

 

挙句の果てに

「お母さんは英語が分からないので日本語で話してください」

「英語で話したら日本のお祖父ちゃんやお祖母ちゃんが分からないよ」

 

と言っていました。

 

父親や先生と英語で話している私の姿を見ている子供達

だけどこれは言ってはいけないと思ったのか

一度も

「マミーは英語話しているじゃない」とは言いませんでした(笑)

 

「日本語で」と日本語で話させ

間違えた言い方をしたら

正しいフレーズを言って復唱させる。

 

小学校に入るまではこんな感じでした。

 

家で見るテレビは1チャンネルしかない日本語のテレビ

英語のテレビは見せませんでした。

 

幸い、父親は仕事で家を留守にする事が多かったので

家では日本語環境にできましたが

多くの日本人母が挫折をする要因が

「日本語の分からない父親が会話に参加できない」

 

これは父親がぐっと我慢出来れば

そのうち子供が通訳するようになります(笑)

 

こんな感じで未就学児はなんとか年相応のにほんごが身に付きますが

学校に行ったら大変です。

現地校のお勉強がありますから

日本語のお勉強は二の次です。

 

現地校のお勉強が出来る子なら良いです。

うちの息子のように進学校に行かせたら

1学年先の算数の宿題が出てそれをやらない。

毎日放課後は宿題バトル

日本語の勉強どころではなくなります。

反抗しまくりの息子

なんとかお姉ちゃんと私の日本語の会話に引きずられて

ある程度の会話は日本語でできるようになり

私にも”日本語で話さなければ”と言うのが叩き込まれたけど

語彙や難しいフレーズは全然進歩しません。

 

読み書きにおいては全滅

反抗しまくりで

算数の問題で”平行な線を二つ書きなさい”と言う問題に

全然平行になっていない線を二本書いて15分が過ぎました。

私もそんなに辛抱が続きません。

 

「日本語に興味を持ったら平仮名・カタカナを教えよう」と思っていたら

興味を持たないまま今20歳に。

 

娘はテキストメッセージは日本語でやり取りしてくれるけど

息子には英語かローマ字でないとできません。

 

この夏休み

せめて名前の漢字だけでも書けるようになってと言ったのに

未だに学ぼうとしない息子

 

日米バイリンガルに育てるのは大変なんです。

 

私のAP Japanese試験レッスンを受けて下さる生徒さん達は

読み書きができます。

それは

日本人のお母様が根気よく教え

それにこたえる素直なお子様たちだからです。

 

そして

 

根気と努力だけでなく

経済的な要素も必要になります。

 

毎年、夏休みに日本に帰って

日本の学校に通わせる

それによって

お子さん達も日本(語)に対してのモチベーションが上がります。

だけど

これをやるには毎年100万円ぐらいはかかるでしょうし

共働きでしたらお休みも取れません。

 

毎週土曜日に日本語補習校に通わせていらっしゃるご家庭も

送迎や待っている間の時間

宿題の手伝いなど

やはり日本人親の物理的&時間的&精神的余裕がないと難しいです。

 

親の出身国がそれぞれ違うからと言って

簡単に子供がバイリンガルにはなりません。

 

我が家は

全く性格の違う二人の子供を育てて

その苦労がよーくわかりました。

 

夏休みが終わるまであと一か月

息子は自分の名前が書けるようになるのだろうか?