※注意
このブログにはクトゥルフ神話TRPG
「沼男は誰だ?」のネタバレが含まれます!!!!
今後プレイする予定のある方や、セッションアーカイブを視聴する予定のある方は、ブラウザバックしていただけると助かります!
「沼男は誰だ?」について語る
ライター:追佐
どうも!最近遣ることが多い割に何もしていない感が自分の中にあってよくわかんないことになってる追佐です!
本格的に夏が始まってまいりました。暑いです。ブログを書こうと思って自部屋に来たものの、エアコンがつかない…舐めてますね…。
それでは本題です。
「沼男は誰だ?」って何?
「沼男は誰だ?」はma34さんという方が作ったクトゥルフ神話TRPGのシナリオになります。
で、TRPGのシナリオって何?って話なんですが
簡単に言うと、舞台・起こる事象と流れ・物語の背景が決まっているけど、キャラクターがいない小説みたいな…
推理小説なら事件の内容と残っている証拠、犯人とかは決まってるけど、それを推理する探偵役がいないみたいな。
TRPGはそんなシナリオを元に、集まったプレイヤーたちが自らのキャラクターを通して、その物語に秘められた謎を解き明かしていくというものになります。
そんなTRPGのシナリオの一つである、「沼男は誰だ?」原作(?)であるニコニコ動画「ゆっくり×ぷよキャラで冒涜的なTRPG実況」シリーズは一本目の動画が2012年ということで、約10年以上の歴史のあるシナリオとなっております。
しかし、今でもプレイする人は多く、Youtubeでは2020年12月にはむつーさん卓の「我々の奇妙な日常」のアーカイブは、なんと200万回再生を突破しております!更にはつい一週間前に行われた「オールスター沼男」はグッズが販売開始直後に売り切れになるほどの人気が…。
そして、何を隠そうこの私も、先日全員オブクスメンバーで「常識外れの沼男」セッションさせていただきました!
なぜ、ここまで愛されるシナリオが生まれたのでしょう?
今回は、「常識外れの沼男」「オールスター沼男」の2つのセッションを踏まえて、このシナリオを解剖していきたいと思います。
(以下シナリオネタバレ注意)
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スワンプマンの思考実験というテーマ
まずこのシナリオを語る上で欠かせない存在。それは「スワンプマンの思考実験」です。作中でも描写がありますが、この問いに対する答えこそがこのシナリオの大きなテーマであります。
〜スワンプマンの思考実験
ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然雷に打たれて死んでしまう。その時、もうひとつ別の雷が、すぐそばの沼へと落ちた。なんという偶然か、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こし、死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。
この落雷によって生まれた新しい存在のことを、スワンプマン(沼男)と言う。
シナリオを読んでいますと、「テセウスの船」や古典落語の『粗忽長屋』といったものも、類似する議題として挙げられています。
これらの思考実験は共通して、Aという人や物があり、それと姿形が同じだが、元のAではないA,が成り代わった時、それはAと言えるのか?というものになっております。
「スワンプマンは誰だ?」では、スワンプマンとふたりきりで接触してしまったものは、スワンプマンとなるというシナリオ内でのルールがあります。
つまり、プレイヤーのキャラクターが、実はセッション開始時とは別人になっている可能性もある。ということです。
その、変わってしまったキャラクターをキャラクターと呼べるのかどうか?条件が同じなのであればそう呼んでもいいのではないのか?というところが大きな論点になっております。
この問題に対するプレイヤーたちの答えが、このシナリオのエンディングを大きく変えることになります。
ちなみに、「常識外れの沼男」のセッションでは、追佐、定春、蕃茄、6の内、追佐以外が全員スワンプマンになってしまいます。
スワンプマンを滅ぼすかどうか?という問いに対し、「母体」が死んだだけで全員が死ぬ生物は、生物として弱すぎる。という6の考えから、プレイヤーたちはスワンプマンを滅ぼす選択肢を取ります。
日本全国1万を超えるスワンプマンたちが一斉に泥へと帰ることになります。もちろん、プレイヤーキャラクターも例外ではなく、追佐は最後一人取り残されることとなりました。
「常識外れの沼男」では、スワンプマンの性質から滅ぼす選択肢を取りました。なので、「スワンプマンの思考実験」に対する答えは出ていないと言えるかもしれません。
ですが、これはこれでうちのメンバーらしいところが出ていて、僕は好きでした。
シナリオの綺麗さ
ということで次はシナリオ全体を通して語っていきたいと思います。
今回は、海月KPの元、むつーさんが改変したシナリオで遊ばせていただきました。
むつーさんの改変により、作者様の原文のものよりかなりシナリオ全体がわかりやすくなっております。
特に、改変版に存在するハンドアウトは、それぞれのシナリオ内での役割が明確化されており、プレイヤーが戸惑うことなく進めることができます。
そして、このシナリオはなんと言っても残酷な部分の多さが目立ちます。
改変版に存在する半強制沼男化イベントはだいたいどの卓も引っかかっていますね(笑)「常識外れの沼男」では、定春が引っかかってました。可哀想に。
NPCもシティシナリオの面で考えてすごく無駄がなく、目的や考え方もおもしろいので、こういう部分にも「沼男は誰だ?」のシナリオの良さが含まれているんじゃないかな―と思います。
プレイ感想
最近TRPGをプレイヤーでやることがかなり少なかったので、久しぶりのTRPGということで、少し緊張していましたがメンツがメンツだったので気軽に遊ばせていただきました。
海月KPと途中でちらっと言いましたが、あの人はひどいです。本当に。
僕はトマトのキャラクターと親しい仲であるという設定だったのですが、トマトが泥になってしまった際、SAN値チェック後の狂気を「大切な人を忘れる」とかいう狂気にしやがりました。
死に際を忘れてしまうという悲しさ。本当にひどいですね。
セッション後に定春が「オレは今までで一番好きなシナリオ」と言っていたのが本当に印象的でした。
定春は数々のシナリオに連れ回されているので、そんな言葉が聞けるということはかなりすごいことです。
「沼男は誰だ?」は本当に神シナリオです!
このブログを見ているということはぜひ遊んでみてくださいとは言えませんが…(笑)
まだ回っていない方がれば、ぜひおすすめして、暇があればKPもやってみてはいかがでしょうか!
それでは今回はこんな感じで!