ロック

のか

《注意》

クトゥルフ神話TRPG「誰がロックを殺すのか」(角刈りジョニー様作)のリプレイ文字起こしです。

下記シナリオの本編ネタバレを含みます。

また、シナリオは改編版となっております。

クトゥルフ神話TRPGの権利表記は後述。

▼シナリオURL▼

 

▼字幕色▼

HO1 PC:蒼炎 定春  PL:定春(定)

HO2 PC:如月 凛   PL:あれん(あ)https://twitter.com/alen_1220_y

HO3 PC:四宮 圭   PL:柊 御言(柊)https://twitter.com/hiiragimikoto__

HO4 PC:獅子戸 修司 PL:Lark(L)

 

KP 海ノ海月(海)(https://twitter.com/Kurage_OCS

 

▼前回はこちら▼

 

 

本編

遠くの方でピアノの音がする。その音はとても優しく、自分を包み込んでくれるような安心感を覚える。

あのCDで聞いた、ライブ会場で流れてきた、あれと同じだ。

あなたの足は、自然とそちらへ向かっていくことだろう。

 

「歩幅が少しづつ変わって行きます。4人一緒に歩いていたのですが、1人だけ歩幅が変わったのか少しづつ歩くスピードが変わって行きます。獅子戸は歩幅がいつもより大きくなり、そのままある家に向かって行きます。…辿り着いた先はこじんまりとし一軒家です。カーテンが閉まっていて、中の様子は伺えない。【聞き耳】お願いします。」

四宮 圭 CCB<=70 【聞き耳】 (1D100<=70) > 100 > 致命的失敗

如月 凛 CCB<=60 【聞き耳】 (1D100<=60) > 2 > 決定的成功/スペシャル

蒼炎 定春 CCB<=85 【聞き耳】 (1D100<=85) > 39 > 成功

「致命的失敗を決定的成功で回収していくスタイル。」

「プラマイ0やな。」

「え〜…えっと、成長判定をしない代わりに致命的失敗を通常の失敗にするっていうのでいいですか?」

「あ…じゃぁそれで。」

「はい。成功した人たちは、ピアノの音が聞こえます。その家の表札には『ヨシザキ』と書いてあります。」

「ヨシザキ…最初の方に出てきたな。」

 

●ヨシザキ(キーボード)

本名:吉崎慎二(ヨシザキ シンジ)

外見:36歳男性。スポーティな黒髪短髪。いつも温和な笑顔を浮かべてる。

性格:気弱なお人好し。他の3人によく振り回されている。趣味は料理。

演奏:元々ジャズピアノの奏者だったのを、ミヤモトがバンドに引き入れた。サブのボーカルやギターとしても活躍している。

「獅子戸はそのまま玄関のドアを開け、部屋の中に入って行きます。他の人たちは入りますか?」

「入ろう。」

「入りまーす。」

「うっし入ろう。」

「中に入ると、少し廊下があり、その先のリビングから不安定なピアノの旋律が聞こえてきます…」

 

真っ暗なリビング。グランドピアノの前に座っているのは、ザ・ウィンドフォールズのキーボード担当、ヨシザキだった。

すらっと伸びた背筋、規則的に動く指。その指先が鍵盤を叩くたびに、不規則で、不安定で、不気味な旋律が奏でられる。そして、彼の目は虚ろであった。ただ光のない目で鍵盤を見下ろし、ゼンマイ仕掛けの人形のように繰り返し繰り返し同じ曲を奏で続けている。

貴方達は、きっとこの曲に聞き覚えがある。あのライブで聞こえてきた、あのCDに入っていた、あの動画で見た、それと同一のものだ。

 

「何かすることはありますか?」

「話しかけたりは…しますか?」

「お、話しかけますか?話しかけますが、何も返してくれません。なんならこちらを見る気配すらありません。」

「救急車を呼びましょう。」

「おいこら。」

「救急車呼びますか?…ちなみに探索することも可能っちゃ可能です。この部屋を。」

「…探索します。」

「【目星】を振るか、ノートパソコンと机を。」

「俺【目星】あるから、誰かノートパソコンと机やって。」

L「俺も振っていいですか?」

「あ、どうぞ。」

蒼炎 定春 CCB<=55 【目星】 (1D100<=55) > 77 > 失敗

獅子戸 修司 CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 15 > スペシャル

「見つけられたものは紙です。この紙は、タカハシの家にあったものと全く同じです。それにはどこかファンタジックな宮廷のイラストと、未知なる文字が刻まれています…スペシャルだから…獅子戸はそこに書かれている文字を直感的に理解できます。」

『選ばれし奏者よ。その優れた才能を認め、汝を宮廷へ招待する』

「魂だけ連れ去られたってやつっすか。救急車呼びましょうとりあえず。」

「ノートパソコンと机が…残って…。」

「ノートパソコン探索しようまず。あと机も。」

 

★ノートパソコン

暗い部屋の中でノートパソコンの画面が煌々と光っている。

そこにはSNSの画面が開かれたままになっている。どうやら、あれだけメディア露出を控えていた「Mr.Noise」がついにSNSアカウントを作ったようだ。数分前に『ミューフェス最終日、飛び込み参加が決定しました!来場予定のみなさん、お楽しみに~^^』との投稿がされている。

 

★机

作業机のようなところに、ノートや本が乱雑に積まれている。

開かれたままになっているノートは、今ではすっかり都市開発されて存在は無くなってしまっているイギリスの古い村の記録である。

 

●とあるイギリスの村の記録

その村では、毎年大規模な音楽祭が催されていた。

しかし、今からちょうど100年前の話。毎年祭りの中心となって盛り上げていた音楽家たちが、次々に姿を消したり、精神病になったり、命を落とした。事件は祭りの真っ最中であったり、その前後で頻繁に起こったらしい。

また、他のノートや本も中を読んでみると、その周辺の別の村々で、同様の事件が同時期に数件起こっているとの内容だ。更に、200年前、300年前と100年単位で、資料は少ないが様々な国と地域で同じような事件が起きたとの記録もある。

「【目星】or【図書館】お願いします。」

蒼炎 定春 CCB<=55 【目星】 (1D100<=55) > 60 > 失敗

獅子戸 修司 CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 27 > 成功

「これらの記録に関連して、高橋の部屋にあった「セラエノ写本」からこのような記述を発見します。

・宮廷の演奏会

100年に一度、アザトースの宮廷では大規模な音楽祭が催される。毎回優れた音楽家が神々を礼賛する素晴らしい音楽を奏で、アザトースを崇敬するのだ。

…という記述があったことを思い出します。」

 

「…で、救急車呼ぶんでしたっけ。」

「はい、呼びましょう。」

「救急車が来たその時、マツモトも連絡を受けてかこちらに来ます。『何があったのか〜』とかすごい聞かれるんですが、とりあえずヨシザキは救急車で搬送され、精神科に運ばれました。とりあえずは。」

「マツモトに今まで調べたことを伝えることもできますし、伝えないことも可能っちゃ可能です。…伝えますか?」

「伝えましょう。」

「伝えると、マツモトは『じゃぁミヤモトも…』とミヤモトの心配をし始めます。宮本の家に行きますか?」

L「行こうや。」

「ミヤモトの家に…行きます。マツモトはどうしますか?」

「ついてきてもらう?」

「ついてきてもらお。」

「はい、では。マツモトとともにミヤモトの家に向かいます。」

 

●ミヤモトの家

「都内住宅街にある一般的なマンションの最上階、701号室が彼女の家です。インターホンを押しても特に反応はありません。鍵は開いています。」

L「…入ろう。」

「中に入ると長めの廊下が続いて、リビングへはもう一つ扉があります。開けますか?」

「開けます。」

「扉を開けると…

 

目の前には脚があった。もしかすると、先頭にいた人物の額にそれが触れて、ゆらゆらと揺れたかもしれない。ポタポタと足先から滴る液体は、赤かったり、茶色かったり、黄色かったり……とにかく酷い臭いがする。脚の暖簾を潜り、汚い水溜りを越えて反対側へと行くと、その顔を伺うことができる。

紫色に鬱血した肌。眼球は半分飛び出、虚空を捉えている。だらしなく垂れた舌先からは赤黒い血の涎が溢れ、元の凛々しい顔付きの原型は無い。

首から伸びる頑丈そうなロープの末を辿ると、リビング上にあるロフトの柵に行き着く。全身の力は完全に抜けており、文字通り糸の切れた人形のように、風によって四肢や髪が微かに揺れるだけだ。

貴方達がザ・ウィンドフォールズのドラム、ミヤモトの自宅を訪れた時には、既に彼女はこと切れた後であったのだ。

「SAN値チェックです。」

蒼炎 定春 CCB<=53 【SAN値チェック】 (1D100<=53) > 63 > 失敗

獅子戸 修司 CCB<=49 【SAN値チェック】 (1D100<=49) > 18 > 成功

四宮 圭 CCB<=69 【SAN値チェック】 (1D100<=69) > 32 > 成功

如月 凛 CCB<=55 【SAN値チェック】 (1D100<=55) > 10 > スペシャル

「探索可能箇所は、遺体・落ちているメモ・机・新聞です。」

 

★ミヤモトの遺体

「応急手当…とか、できないんすか?」

「【医学】を使うことはできます。」

蒼炎 定春 CCB<=5 【医学】 (1D100<=5) > 17 > 失敗

獅子戸 修司 CCB<=5 【医学】 (1D100<=5) > 86 > 失敗

四宮 圭 CCB<=5 【医学】 (1D100<=5) > 68 > 失敗

如月 凛 CCB<=5 【医学】 (1D100<=5) > 35 > 失敗

L「ひどいな。」

「わかるのは…外傷が無い…首吊り自殺だろうという事くらいですかね。」

 

★落ちているメモ

乱雑に書き殴られたメモが落ちている。

遺体の真下にあるため、彼女のありとあらゆる体液で、すっかり滲んでしまっている。

『タカハシのいないザ・ウィンドフォールズに価値なんてない。ザ・ウィンドフォールズじゃない私に価値なんてない』

「こいつ冒頭でメンヘラ気質とか言ってなかったっけ。」

「あ、はい。言ってましたね。」

「【人類学】無い…。」

「う〜ん、筆跡が誰のものかわかる程度なので、別に振らなくても…。」

「あ、じゃぁ次行きましょう。」

 

★机

ブックスタンドに立てかけられている本たちの中でも一際浮いている、古びた手帳を発見する。

ついさっき手に取られたかのように、少しだけ手前に出ている。

 

●20年前の日記(一部抜粋)

『高橋はすっかりあの子に夢中。今までロックになんてさっぱり興味なんてなかったくせに、少ないお小遣いで安いギターを買っていた。影響受けすぎだっての』

『高橋のヤローが珍しく頭を下げてきたから、バンドを組んでやることにした。ま、どうせすぐに飽きるでしょ。たまたま軽音部の部室にいた松本と吉崎も道連れとする』

『ムカつくくらい上手くなってる。才能あるって、羨ましいなあ』

『たった数ヶ月で異常に上手くなってて流石に引く。もうプロじゃん。本人を問い詰めたら真面目な顔で"神と契約した"なんて言うもんだから、更にドン引き。……マジで神と契約したんじゃないかってレベルだけどね』

『"ザ・ウィンドフォールズ"って、なんかダサくない? でも、他に考えるのも面倒だから仮決定ってことで仕方なくGOサイン』

あ「本音が…。」

 

★新聞

部屋中に物が散乱していて、お世辞にも片付いた部屋だとは言えない。

部屋の隅に、つい最近の新聞がまとめて無造作に置かれている。

 

●有名アーティストたちの自殺

12月20日午前10時頃から、ミュージシャンの自殺や行方不明事件が後を絶たない。警察はこれらの事件の関連性や共通点を調査している。

「【図書館】or【オカルト】どうぞ。」

L「図書館GO!」

獅子戸 修司 CCB<=50 【図書館】 (1D100<=50) > 50 > 成功

 

とあるネット掲示板での噂が目にとまる。これらの自殺・行方不明は『Mr.Noise』の動画の影響ではないかという噂だ。『Mr.Noise』は8月1日の午前10時頃に新作の楽曲を投稿しており、更に自殺者・行方不明者のミュージシャンたちは、普段からSNSなどでMr.Noiseのファンであることを公言していた人物が多い。

 

●Mr.Noiseの新曲

ニュースの影響もあってか、サイトの運営により公開停止の処置がされている。それでも、検索すればすぐに転載された動画を見ることができるだろう。

それは、獅子戸の元に届いたCDの音源、また、ライブ会場で響いてきた不気味な曲と同じものである。

 

「そんなことをやっていると、警察官達が現れ、貴方達も事情聴取を受けます。刑が特殊ということもあり、長々と拘束されますが、マツモトの証言や遺言らしきものが認められ、その日のうちに解放されます。」

 

編集後記:尺の都合でカットしていますが、海月がマツモトとミヤモトとヤマモト(存在しない)がごっちゃになるくだりがありました。

不確定ですが次回最終回…かも?完結記念感想戦とかするかもしれません。それではまた次回。