太田です。



前回の飛んでしまった学校行事からの続きです。


学校行事では、政治家の話が長すぎて賞味1時間不動の姿勢のまま立たせられるという拷問を受け、

何人か倒れはしましたが、無事学校行事も終えました。

政治家さんって誰も聞いてないのに、とりあえず新聞に載ってそうなことつらつらつらつら述べる訳です。

取りあえず他の政治家よりできますよってのをアピールしたいらしく、自分より前に喋った人の

上塗りをしてく訳です。その結果、総勢10名近くの先生方が前の人より喋るもんだから、

長い有り難いお話と緊張感で意識をしっかりさせるのが大変でした。


1週間後に自衛隊に入ったら必ずする課目がお目見えしました。

幹部候補生学校にほど近い高良台演習場で初の4教課目、ズバリ穴掘り!


入隊する前から体力にはそこそこ自信はあったので、実はどんなもんだろうと若干楽しみではありました。

みんながへばってしまう中、僕が率先陣頭穴を掘り進めて行くというようなヒーロー的な

場面を想像してました。


現実は凄まじかった。

単純に考えても、重力に逆らって地中に向かっていくわけです。

自分の身長近い穴を掘るんです。

今回は最初ということもあり4人一組で昼間にたった1つの穴を掘るだけでした。
掘り進むにつれてニュートンじゃなくても重力ってあるんだなと実感できました。

土が重い。


しかも高良台の土が粘土質で、えんぴ(シャベル)の刃が立たない。

ようやく掘れ始めたと思いきや絶妙なタイミングで、ザ・ロック。

とてもかなわなそうだったので、協議の結果、別の場所を掘り始めたのですが、

この時は既に突っ走りすぎた僕というヒーローは暑さと乳酸でパンパンになった上腕にやられ、

肩が上がらない。


穴一個掘るのにこれかよ!

半年後には、一人で夜も寝ずに穴10個近く掘らされるの事を考えると、ほんとに完遂できるのかと

フレッシュマンだった僕は恐怖すら感じました。


正直な話、教育中は10回くらい、辞めたいと真剣に考えました。

でも人間不思議なもので、慣れてくるんですね。しかもきつければきついほど次が欲しくなる、笑

この10回のうち8回は最初の3ヶ月くらいのものでした。


まあとりあえず、そんなこんなで掘り終わり、一息つくでしょここは。ってところで埋め戻し。

穴掘りで一番きついのは、埋め戻しです。

穴掘りは芸術的なレベルで掘りを追及します。掘っている最中の横の壁なんかは、

エンピのサイドの鋭角な部分を使用して、より平行になるようにとにかくこだわります。


そんな血と汗と涙の結晶の芸術を終わったらすぐ元に戻すのです。

もちろん展覧会じゃないんで、埋め戻すのは当たり前ですが、せめて

てか、休ませろ。休ませて下さい。って感じです。


これ以降も丸1日寝ないで穴を掘り続けたり、2日だったりとステップアップして穴掘りを

追及していったのですが、掘るのは段々と要領掴んでくれば慣れます。

ただ、どうやっても慣れなかったのがやはり埋め戻しでした。


1万パーツ位のプラモデル2晩寝ずに作り上げて、またばらばらにして型にはめ直す感じなんでしょうか。


最高に忍耐力つきました。