転院前のA病院の超音波診察(エコー)で、ノッティの心臓の異常

を早期に見つけてくださったS先生には、本当に、心からの感謝を

しています。


 エコー診察をご担当している先生は数人いらっしゃって、曜日毎

に決まっていました。定期健診で診ていただいていた先生とは

違い、予約を自分で取らねばなりませんでした。どの曜日の○○

先生に診ていただこうかなあ~だなんて、そんな余裕はありません

でした。たまたま、私の指定休が2006年度は火曜日だったので、

定期検診はそれに合わせて通院いました。そんなわけで、エコー

診察も、火曜日にということで、担当医師がS先生だったというわけ

です。


 今思えば、この偶然がノッティの命の明暗を分けたといっても過言

ではありませんでした。のちに出会う“K先生”が力強く、そして、

はっきりと「この週数で、先天性心疾患を見つけられたのは、

他ならぬS先生だったからです」と。


 S先生に異常を見つけていただいた時、先生もそれだけ急いで

くださったのだと思います。その場で紹介状を書くので一日も早く

転院先に予約をとってくださいと言われました。いきなりの話で、

紹介していただいた3つの病院の中から一つをその場で単独で

選ぶことも、また、私が聞いた話をパパや祖父母にも話して相談

したかったので、翌21日、双方の両親、パパとともに伺って、先生

から再度ご説明いただき、決めたいとこたえました。


 病院からパパに電話したところ、パパはすぐに退社して、パパ両親

にも急遽、会って相談したいからと、喫茶店で待ち合わせの段取り

をしてくれました。私が受けた説明をし、まずは病院を決めなければ

と焦りました。


 翌日、私は有休をとり、パパ母、おちょう父とS先生のもとを訪ね

ました。昨日、私が伺ったことをS先生は丁寧に、そして起こりうる

こと、まだ、はっきりと断定的なことはいえないが・・・と、とても親切

に説明くださいました。


 結局、3つの中から、T大学病院に紹介状を書いていただきたいと

お願いしたところ、その場で、S先生はT大学病院産科のK先生に

電話をされました。電話のやり取りはこんな感じでした。


 S先生:「実は、心エコーで、○○歳の母親のお腹にいる今日で

      週数が19週4日になる胎児に、重篤な心臓病の疑いが

      あるので、急いで詳しく診てほしいんですが、紹介状

      書いたのをもっていってもらいますので・・・。所見は、

      単心室、そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

      「っで、えっ、予約枠がいっぱい?いつなら?うわぁ~、

      そんな先?最短でなんとかなんない?時間をとって診て

      もらいたいんだ・・・・。本当?そりゃ、有難い、患者さんに

      聞いてみます。詳しくはまたあとで。」


      「○○さん(おちょう苗字)、K先生、明日22日午前中の

      外来終わった午後、お待たせしてしまうかもしれないし、

      何時になるかわからないけど、ご都合がつくようでしたら、

      診ますとおっしゃっていますが、どうされますか?」

 

 もちろん悩むことなく、「どうぞよろしくお願いします」と答えました。

あっ、パパもおちょうも明日の仕事は・・・って?私は、今日に引き

続き、有休とりましたよ。こんな重大なことで午前中出勤しても、

仕事にならないだろうし、かえって職場に迷惑をかけてしまった

だろうし・・・。


 S先生から、K先生が13時半ごろお越しくださいとの伝言を伺い、

病院をあとにしたのでした。


 あとで伺ったのですが、S先生とK先生は、昔一緒に仕事をされ

ていたそうです。だからなのか、話し方からしても本当に仲の良い

関係なんだと思えました。紹介状を書くといっても、紹介先の病院

の直接依頼する先生のことを知っていたからこそ、今回のような

迅速な対応をしていただけたのだと思っています。


 このときは、S先生との偶然の出会い、T大学病院へ最短で診て

いただける手配をしていただけたなど、本当に運が良かったのだと

思っていました。こんなにも、私たちのために、親身になって対応

してくださった、S先生とK先生に感謝してもしきれない気持ちで

いっぱいでした。しかし、なぜ、そんなにも急いでくださったのか?

という理由は、K先生に診察していただいた時に、初めてわかった

のでした・・・。

・・・次回に続きます・・・